内容説明
『種の起源』で進化論を唱え、科学に革命をもたらしたチャールズ・ダーウィン(1809~82)。後代の思想、社会観にも影響を与え続けてきた。だが、大発見は進化論にとどまらない。人類の起源、感情の由来、性淘汰、動物の心理、新種の化石の発掘、サンゴ礁の形成、家畜・作物の品種改良、花と昆虫の関係――。本書は、ダーウィンの劇的な生涯を辿り、進化論の本質、彼の偉業を紐解く。旧来のイメージを刷新する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
133
ダーウィンの生涯については略伝程度で、科学者としての業績の評価と位置付けがメイン。いかにして進化論にたどり着き『種の起源』を著わしたかに始まり、ヒトの由来や心理の探究から唱えた性淘汰説が約1世紀後に実証され、植物の受精の研究が植物ホルモン発見の遠因となるなど、今日まで影響が及んでいたとは知らなかった。こうした研究のため手製の道具で実験を繰り返し、データ入手のため政治家を動かしていたとは、病弱の人嫌いという従来のイメージとは別人のようだ。ダーウィンは広い分野で業績を残した、最後の「万能の天才」かもしれない。2024/09/01
よっち
35
『種の起源』で進化論を唱え、科学に革命をもたらしたダーウィン。その劇的な人生を辿り、進化論の本質、彼の偉業の全容を解明して、虚像を塗りかえる1冊。都合のいいように解釈され、後代の思想、社会観にも影響を与えたことで誤解も多いダーウィンの進化論。彼の新種の化石の発掘、人類と感情の起源、性淘汰、サンゴ礁の成り立ち、家畜と作物の品種改良、花と昆虫の関係といった事績とその発見の意義を改めて解説していく内容になっていて、その過程で垣間見えてくるダーウィンの人となりをより意識して焦点を当てていたように感じる1冊でした。2024/08/16
じゅん。
11
伝記的要素もありつつ、その都度進化論や性淘汰などにも言及し解説されていて、ダーウィンの初めの一冊に相応しいと感じます。2024/08/11
預かりマウス
7
ダーウィンの幅広さがよくわかる思想伝記。進化論だけでなく生物学全般について新たな次元を切り開く発見や予言をしていたことがわかった。自分はファーブル昆虫記を以前に読んでから、ファーブル同様に進化論に疑問を持っていたが、自然選択と数万年単位のタイムスケール、そして特に共進化によって、ある程度説明できるのではないかという気がした。ただ科学のパラダイムは蓋然的なものに過ぎないので、真理としての保証のある宗教-創造論とは違って、学問的ではあっても、倫理につながるような世界観としては不適当なのではないかと感じた。2024/11/18
不純文學交遊録
7
進化論の提唱者として名高いチャールズ・ダーウィン。彼の業績はそれだけではない。ビーグル号の航海では絶滅哺乳類の化石を発掘し、サンゴ礁の形成を解明した。性淘汰、フジツボの分類、動物の心理、花と昆虫の共進化などでも鋭い考察を展開している。遺伝子どころか化石の研究も進んでいない時代に、よくぞここまで考えたものだ。生物は神が創造したと信じられていた時代、家畜や農作物の品種改良から『種の起源』を書き始めたのも巧みである。史上最後にして最大の博物学者。我々は未だダーウィンの掌の上にいる。2024/09/03
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