内容説明
天明の大飢饉、老中松平定信の「寛政の改革」失敗と、日本中の経済がどん底の時代。伊勢三十二万石の藤堂家も莫大な借金に喘いでいた。藩主高嶷は藩政改革を決意し、若き下級武士の茨木理兵衛を勘定方に大抜擢。実績を上げ、瞬く間に農政の重職・郡奉行に出世する理兵衛。着実に実績をあげる彼だが、藩の財政赤字は酷くなるばかり。彼はついに、財政再建の秘策「地割」敢行を決意する。だが門閥重臣たち旧弊勢力が理兵衛の前に立ち塞がる。さらに、藩全体を揺るがす大事件が――。感涙必至の歴史長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
123
正しいことを言えば正しい結果がくる。だがしかし、正論をそのまま受け入れられない人間もいるのだよ。若いとは傲慢で人の痛みがわからない・・何もせず旧態依然の御家を案じ、藩政改革を決意した藩主に望まれ改革に乗り出した若い郡奉行・茨木理兵衛。くぅ、出る杭は打たれるを読まされて苦い。だが、わかってくれる者もいたのが救いだ。妻とその義兄、奉行手代の加平次に諭され切腹を思いとどまる。蟄居閉門の後、出奔し帰参するまでの十数年、歳月は人を丸くするのだ。だが、信念は動かない。そこが好い。そんな男がいたのだなぁ。2024/08/07
サケ太
21
ここまで冷や冷やさせられることがあるのか。主人公、茨木理兵衛の改革は、読んでるこっちでさえ、性急であまりにも敵を作りすぎる様に感じさせる。何かしらの裏工作もなく、しかし一面的には正しささえあるその方策。だが、多くのものが納得しえないそのやり方。自分としては破滅を避けてほしいものの、破滅のための証拠が揃っていく感覚。目に見えた破滅の時が、一ページごとに進んでいくのが分かってくる。やめてくれ。と思いつつも進んだその先。彼の先見性は時代の先を行ってはいたのだ……。2024/08/17
茶幸才斎
4
寛政四年、伊勢国津藩の名門藤堂家中で、藩産品の販路を開拓する菓木役所を設置したのは、農政全般を取り仕切る若き郡奉行、茨木理兵衛重謙であった。危機的状況にある藩財政を立て直すべく、その後も果敢に改革を実行する理兵衛は、だが周囲に何らの配慮も忖度もなく、旧習を逡巡なく廃し、藩内各所で上がる反発をよそに、理屈と正論で強引に突き進む。この男、果たして先見の仕法家か、それとも非情の鬼か。破滅を避ける撤退戦にプロジェクトとして取り組むことの難しさを痛感する。今後は世の中のいろんなところで撤退戦が増えていくのだろうな。2025/01/12
助作
3
茨木理兵衛も安濃津地割一揆も知らなかったが江戸時代末慢性的な財政難に見舞われていた津藩の改革の顛末を記した一冊。本気で伊勢の国全部を変えようとした若者の葛藤が描かれている。そこで苦闘の末に現場で弾きかえされてもちゃんとみてる人は「大儀」と一言いれてくれるのが熱い。また後日談が今年の大河にちょっとだけ絡んでたりするのもポイント高し。2025/03/26
コガネイ桜
2
江戸時代後期、商業経済の発展で豪農や豪商に資本集中が進む一方、各藩の財政は窮乏、借財は累積、財政建て直しが急務となった。伊勢藤堂家の藩主高嶷は藩政改革のため、若き下級武士茨木理兵衛を大抜擢。農政の重職・郡奉行として、他藩の事例や諸学説から学んだ正しい政策を実施していくが、急進的な改革は農民等の反発に会い、結局頓挫してしまう。社会課題の解決策は、何を目指すかの価値判断に左右されるが、それ以外にも何が社会的に容認可能かという問題も大きい。現代でも同じで、むしろより巧妙化、複雑化しているのかもしれない。2025/10/27
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