ニッポン獅子舞紀行

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ニッポン獅子舞紀行

  • 著者名:稲村行真
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 青弓社(2024/07発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787221032

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内容説明

日本最多の民俗芸能といわれる獅子舞。
特徴的な大きな頭と布でできた胴体。口をパカパカさせながら舞い踊る姿を正月のショッピングモールや各地のお祭り、行事などで多くの人が一度は目にしたことがあるだろう。その歴史は古く、西暦600年ごろの飛鳥時代に中国大陸から朝鮮半島を経て日本に伝わり、現在でもその歴史を受け継ぎながら、また社会状況にあわせてさまざまに形を変えながら親しまれている伝統芸能である。

獅子舞の最大の特徴はその「多様さ」だ。獅子舞の舞い方はもちろん、頭や体の形も大きさも地域によって異なり、おのずと獅子舞に込められる人々の願いや祈りも多種多様なものとなる。そこには各地の歴史と文化、そして日々の暮らしが息づいている。
東北地方の「権現舞」、関東の「三匹獅子舞」、北陸地方の「加賀獅子」、三重の「伊勢大神楽」、鳥取の「麒麟獅子舞」など、国の重要無形民俗文化財に指定され多くの人の目にふれるものもあれば、地域の人々の手によって脈々と継承されてきたものも多い。

そんな獅子舞に魅せられた若き著者が、北海道から沖縄まで500カ所以上に足を運び、取材してきたなかから厳選した獅子舞を歴史や風習、そして担い手の思いとともに紹介する。かつてない感染症の流行や地方の過疎化に負けない躍動感あふれる獅子舞たちとそれを守る人たちの生き生きとした姿を120点以上のフルカラー写真とともに収める日本を旅する獅子舞紀行。

目次

まえがき――なぜ獅子舞を取材するのか

第1章 そもそも獅子舞とは
 1 獅子舞の「獅子」とは何か
 2 最初期の獅子舞を想像する
 3 獅子舞はどのように日本全国に定着したのか
 4 日本全国に分布する獅子舞
 5 獅子頭の歴史と作り方
 6 胴幕の歴史と作り方
 7 獅子舞を継承する理由

Column 獅子舞に魅せられた人々(1)
 半世紀、獅子の胴幕を作り続けてきたおっちゃん――玉作栄一さん(獅子蚊帳職人)

Column 獅子舞に魅せられた人々(2)
 未来の獅子舞の姿を考えた地域住民――内堀泰行さん、茂木康生さん、須藤尚人さんほか(長野県北佐久郡御代田町塩野区役員)

第2章 獅子舞探訪記:北海道・東北篇
 1 故郷を思う開拓者の舞い「浦幌獅子舞」(北海道十勝郡浦幌町)
 2 鳥海修験とともに受け継がれる神遊び「本海獅子舞番楽」(秋田県由利本荘市)
 3 巡行地域の広さと歴史の重み「黒森神楽」(岩手県宮古市)
 4 人間と動物の境目を踊る「長野獅子踊り」(岩手県遠野市)
 5 獅子舞が虎舞に変化した「門中組虎舞」(岩手県大船渡市)
 6 大獅子パックン火伏せの厄祓い「酒田の大獅子」(山形県酒田市)
 7 大きな胴体は地域交流の証し「黒獅子」(山形県長井市)
 8 けんかを平和的に解決する「彼岸獅子」(福島県会津若松市)
 
Column 獅子舞に魅せられた人々(3)
 津波ですべて失われた虎舞を大復活させた――小原正人さん(鵜住居虎舞舞い手)

第3章 獅子舞探訪記:関東篇
 1 祭りのにぎわいと職人の技「石岡の獅子舞」(茨城県石岡市)
 2 方位、天体、季節……万物を体現するケモノ「浦山の獅子舞」(埼玉県秩父市)
 3 苔で覆われた雨乞いの獅子頭「椎名崎の獅子舞」(千葉県千葉市)
 4 演舞の途中で子どもが誕生!「誕生獅子」(東京都大田区)
 5 お湯を観客に振りまく「湯立獅子舞」(神奈川県足柄下郡箱根町)

Column 獅子舞に魅せられた人々(4)
 獅子舞を収集しつづけ「獅子博物館」を作った――高橋裕一さん(獅子博物館館長)

第4章 獅子舞探訪記:中部篇
 1 子どもが貧困と敵討ちを動機に舞い始めた「角兵衛獅子」(新潟県新潟市)
 2 タイマツの火が獅子を奇襲する「新湊の獅子舞」(富山県射水市)
 3 棒振りが獅子殺しをする「橋立地区の獅子舞」(石川県加賀市)
 4 獅子頭をかぶらない獅子もある「奈川獅子」(長野県松本市)
 5 商店街復興と獅子の巨大化「飯田の獅子舞」(長野県飯田市)
 6 蛇をくわえて激しく振り回す「へんべとり」(岐阜県高山市)
 7 獅子が女性に扮して芝居に登場「獅子芝居」(岐阜県羽島郡岐南町)

Column 獅子舞に魅せられた人々(5)
 獅子舞調査と継承活動を両立する「獅子ペディア」――諏訪雄士さん(能登半島獅子舞研究者)

第5章 獅子舞探訪記:近畿篇
 1 獅子舞を仕事にする旅人たち「伊勢大神楽」(三重県桑名市)
 2 獅子舞の原型は農具だった「箕獅子」(三重県伊勢市)
 3 蜘蛛の巣を浴びるも打ち勝つ「六斎念仏の獅子舞」(京都府京都市)
 4 オニワニが獅子を退治する「顯國神社の三面獅子」(和歌山県有田郡湯浅町)

ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

38
フルカラーで紹介される日本各地のお獅子にクラクラしました。た、多様性…!個人的に大好きな権現様と、うちの地元の獅子巡行(神社に奉仕する男性・年番とOBのみが参加できるもので、朝から晩まですべての氏子を角づけしていきます)が紹介されていないのがふま~ん。でも、インドネシアの文化との比較とか、自分も興味がある分野です。沖縄のお獅子がアメリカから返還された話は胸を打ちました。2024/09/11

アナクマ

29
全国7-8000箇所、日本でもっとも多い民俗芸能。うち500を取材した成果。獅子頭・胴幕の姿かたちや製法、雌雄の区別、舞い方も祈りの対象も千差万別の様相。それは古来のシシ信仰と大陸由来の伎楽(1400年前)が融合し、郷土風土に合わせて隅々まで浸透していったことの現れで。「芸能は土地の顔なので、一つひとつが違っておりまして、優劣はつけられない」多くの祭りが継承難になるなか「まるで軟体動物のように変化しながら、地域のなかで生き続けている」。獅子舞を通して各地の人びとに魅了されている著者の様子が素晴らしい。2025/01/13

kaz

2
各地の多様な写真が嬉しい。図書館の内容紹介は『日本最多の民俗芸能といわれる獅子舞に魅せられた著者が、北海道から沖縄まで500カ所以上に足を運び、取材してきたなかから厳選した獅子舞を担い手たちの思いとともに紹介する。獅子舞のフルカラー写真も収録』。 2024/09/23

Go Extreme

1
獅子舞とは: 獅子 最初期の獅子舞 日本全国に分布・獅子舞 獅子舞を継承する理由 北海道・東北篇: 浦幌獅子舞ー北海道十勝郡浦幌町 黒森神楽ー岩手県宮古市 関東篇 石岡の獅子舞ー茨城県石岡市 浦山の獅子舞ー埼玉県秩父市 中部篇: 角兵衛獅子ー新潟県新潟市 新湊の獅子舞ー富山県射水市 飯田の獅子舞ー長野県飯田市 近畿篇: 伊勢大神楽ー三重県桑名市 箕獅子ー三重県伊勢市 四国・中国篇: 猫獅子ー香川県高松市 継ぎ獅子ー愛媛県今治市 九州・沖縄篇: 祓い獅子ー福岡県福岡市 謝名のアヤチ獅子ー沖縄県国頭郡今帰仁村2024/09/06

takao

0
ふむ2025/04/20

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