岩波新書<br> 戦争ミュージアム - 記憶の回路をつなぐ

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岩波新書
戦争ミュージアム - 記憶の回路をつなぐ

  • 著者名:梯久美子
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 岩波書店(2024/07発売)
  • 真夏も楽しく!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/2)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004320241

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内容説明

日本が当事国であった戦争を知る世代が少なくなるなか,忘れてはならない記録と記憶の継承を志す場があり,人がいる.戦争の時代を生きた人間を描くノンフィクションを多数ものしてきた作家が,各地の平和のための博物館を訪ね,そこで触れた土地の歴史と人びとの語りを伝える.未来への祈りをこめた,今と地続きの過去への旅.

目次

大久野島毒ガス資料館――毒ガス製造と使用の知られざる歴史
地図から消された島
「危険な施設は地方に」
毒ガス兵器を使用した日本軍
廃棄処理の難しさ
予科練平和記念館――大空に憧れた少年たちの「特攻」
予科練出身者の戦死率は八割
厳しい訓練と高度な座学
「人も飛行機も唯消耗品なのです」
飛行機にさえ乗れずに死んでいった若者たち
戦没画学生慰霊美術館 無言館――遺された絵が語りかける青春の美術館
画家を夢みた戦没学生たち
妹を描いて出征,二三歳で戦病死
妻が五〇年間,自室に飾っていた絵
未完の絵が語るもの
周南市回天記念館――若者を兵器として扱った「人間魚雷」の実態
魚雷と人間が一体となった兵器
完成を急ぎ事故が多発
コックピットを精巧に再現
戦死者の平柊年齢は二〇・九歳
海岸に残る訓練基地跡
コラム◆戦跡を訪ねて――土地は歴史を記憶する
太平洋戦争末期の激戦地 硫黄島
民間人の悲劇が起きた サイパン島
地上戦で二〇万人の命が失われた 沖縄
地上の国境線があった島 サハリン(樺太)
対馬丸記念館――子どもたちを乗せて沈んだ疎開船の悲劇
いまだに確定できない死者の数
竣工三〇年の老朽貨物船
五三年後に発見された対馬丸
国策の犠牲となった子どもたち
象山地下壕(松代大本営地下壕)――本土決戦に備えて掘られた巨大な地下壕
総延長約一〇キロの巨大な地下壕
過酷な労働を強いられた朝鮮人労働者
天皇と三種の神器
地下壕の公開を実現させた高校生たち
東京大空襲・戦災資料センター――記録することで記憶をつなぎとめる
被災地図の上の死者たち
焼夷弾を持ち上げてみる
無数の三月一〇日,死者と生者の声
八重山平和祈念館――知られざる戦争マラリアの実相を後世に残す
戦争マラリアとは何か
軍命によって有病地へ
避難小屋での暮らし
軍はマラリア罹患の危険性を知っていた
原爆の図丸木美術館――絵の前に立ち,死者からの問いを受けとめる
丸木スマが描いた「ピカのとき」
「原爆の図」のために建てられた美術館
絵を通して人が出会う場所
長崎原爆資料館――いまこそ学ぶべき核兵器の惨禍
偶然が左右した運命
失われた遺構のレプリカ
「ファットマン」の実寸大模型
絵巻物「崎陽のあらし」のメッセージ
稚内市樺太記念館――戦争で手に入れた領土で起きたこと
世界でも類を見ない巨大防波堤
日露戦争の勝利で手に入れた領土
日本の近現代史の縮図
引揚船で稚内港へ
一般市民を巻き込んだ地上戦
満蒙開拓平和記念館――「国策」がもたらした八万の死
満蒙開拓団とは何か
悲惨をきわめた逃避行
被害と加害がからみあった複雑さ
当事者の壮絶な体験を聴く
国策に従った果てに
舞鶴引揚記念館――シベリア抑留の帰還者を迎えた町
シベリア抑留の一次資料を収蔵・展示
最後の引揚港・舞鶴
記録性の高い資料の数々
帰還を待ち続けた人々
都立第五福竜丸展示館――市民が守った被ばく漁船を展示
死の灰を浴びたマグロ漁船
「沈めてよいか,第五福竜丸」
市民の力で船体を保存
模型船を造り続けた元乗組員
コラム◆インターネット上の戦争アーカイブ――学びを深めるためのサイト
中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンター
NHK戦争証言アーカイブス
アメリカ合衆国 ホロコースト記念博物館
主な参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

187
「若菜、私は今、私の青春の真昼前を私の国に捧げる。私の望んだ花は、ついに地上に開くことがなかった」周南市回天記念館、人間魚雷の訓練中に命を落とした和田稔少尉が妹に宛てた遺書の一節。一億玉砕、国民の犠牲を前提とした本土決戦に備え、大本営と天皇が避難すべく掘られた、長野市象山地下壕。5人に1人が亡くなった戦争マラリアの実相を後世に残す八重山平和祈念館。など、戦争の記憶を遺すためのミュージアムが紹介されています。2024/12/28

trazom

134
大久野島毒ガス資料館/予科練平和記念館/対馬丸記念館/象山地下壕/満蒙開拓平和記念館など全国14の戦争ミュージアムが紹介される。この本を読みつつ各記念館のHPを巡っていると、あっという間に時間が経つ。中でも、石垣市の八重山平和祈念館で紹介されている「戦争マラリア」という悲劇を、これまで全く知らなかった自分を恥ずかしく思う。梯さんは「全国各地の記念館を訪れて、今改めて思うのは、場所が持つ歴史性である」と言う。HPを通じた知識ではなく、「その場所で」、死者と出会い過去からの声を直接聞くことが大切なんだと思う。2024/09/23

どんぐり

99
戦争ミュージアムは「戦争を伝える、平和のための資料館や美術館」である。大久野島毒ガス資料館をはじめ、周南市回天記念館、舞鶴引揚記念館、満蒙開拓平和記念館など14の戦跡をめぐる著者の旅は、忘れられた場所に眠る死者の声を掘り起こす試みでもある。自分が訪れたことがあるのは戦没画学生慰霊美術館 無言館と東京大空襲・戦災資料センターくらいだが、どの施設にも時間をまとった「もの」が語りかける歴史の重みがある。→2026/05/26

skunk_c

84
北は稚内から南は石垣島まで、戦争に関連する14の博物館や資料館などを紹介する。元々「通販生活」の連載記事だったとかで、上段に構えることなく施設について紹介しており、押しつけがましさもない。著者の本音は「あとがき」にコンパクトに出ている。「ヒト」が高齢化する中、戦争について「モノ」が今後重要度を増すという指摘は同感。しかしいろいろあるなぁ。自分でも旅行のたびにこうした施設はかなり回ってきたが、重複したものが2か所だけ。すぐ近くに行っても見逃していたものもあった。離島が多いので全部は無理と思うが行ってみたい。2024/08/16

fwhd8325

75
この時期になると、どうしても「戦争」を意識してしまう。今年は、戦後80年という節目でもあり、マスコミの露出も多くなっているように感じます。年齢とともに、戦争への思いは変化しているように感じています。誰もが平和であろうと願っているはずなのに、戦争がなかった時はありません。今も都合のいい正義を掲げています。あの戦争を、どう考えていかなければいけないか。そんなヒントになる施設がこんなにたくさんあることを知りました。こうした施設が、為政者の出現によって廃止されないよう、見守ることも必要なのでしょう。2025/08/15

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