岩波新書<br> 検証 政治とカネ

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岩波新書
検証 政治とカネ

  • 著者名:上脇博之
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2024/07発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784004320210

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内容説明

自民党議員による政治資金パーティー裏金問題は,安倍派をはじめとした派閥が解体された今も,決着を迎えてはいない.政治責任が問われることのないまま,うやむやになってしまうのか.――告発の火付け役である著者が,裏金問題の本質を抉り出し,ウソを見抜く技を提供する.真の政治改革に向けた問題提起の書!

目次

プロローグ
第1章 政治家の収入源はどうなっているのか
政治家個人の収入
公費の支給
法律で収支報告が義務づけられている資金
第2章 カネはどう規制されているのか
政治資金規正法の目的
政治資金規正法の歴史的変遷
政治資金規正法が定める政治団体の枠組み
第3章 抜け道だらけの政治資金規正法――裏金はこうしてつくられる
政治資金パーティーは事実上の企業献金
政治資金パーティーのもう一つのパターン
「透明化」の網をすり抜ける政治資金パーティー
パーティー券の購入を企業に強制
政党から政治家個人への「寄付」
政治家が多くの政治団体を持つ理由
寄付の上限額の定めにも抜け道が
コロナ禍を逆手にとった脱法「オンラインパーティー」
「裏金」は何に使われているのか
グレーゾーンの「陣中見舞い」
自民党総裁選で使われている?
第4章 金権政治を加速させてしまった90年代政治改革
中途半端に終わった政治資金規正法の改正
「泥棒に追い銭」の政党助成金
政党交付金には違憲の疑い
国会議員を「資金中毒」にした政党交付金
小選挙区制で政治がクリーンになるという「幻想」
過剰代表で議会制民主主義を歪める小選挙区制
小選挙区制が生んだ「イエスマン」政治
小選挙区制が一層の政治の劣化をもたらした
第5章 市民の手で「政治とカネ」を究明する――私が告発を続けるわけ
憲法学者が政治家を刑事告発し続ける理由
日本の検察を信用していいのか
「単純ミス」で済まされてよいのか
検察は変わったか
不起訴でも刑事告発する意味はある
安倍晋三元首相の「桜を見る会前夜祭」事件
再び安倍氏を告発する
「闇パーティー」で議員本人が有罪に
地方政治の「政治とカネ」問題
市民が政治資金収支報告書にアクセスする方法
誰でもできる政治資金収支報告書のチェック方法
「政治資金パーティー」の不正を暴くには
終 章 真に求められる政治改革とは
まずは収入源を断つことが第一
合法的な裏金もなくせ
「トカゲの尻尾切り」を許すな
「完全な比例代表制」導入のススメ
選挙制度が変われば「政治とカネ」も変わる
「べからず選挙法」はもうやめよう
自民党は抜本的な政治改革をやる気なし
エピローグ
裏金事件の捜査はまだ終結させません
金権政治を根本的に変えるのは国民の怒りの継続
参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

61
選挙が終わったが、政治資金規正法はまた改正するという報道もあった。政党から政治家個人への「寄付」は裏金の合法化。個人では政治活動のための財布を持たない、という前提がある(52頁~)。当法律が収支について収支報告書への記載を求める対象は、あくまで政治団体。個人の収支は、収支報告が制度化されていないので、収支報告書そのものがないという(54頁)。今度の改正では、ブラックボックスをやめ、市民がチェックできるしくみを条文化してほしいものである。2024/11/02

skunk_c

56
告発を実践している同世代の憲法学者による、裏金問題の概説書。特に政治献金などの資金のしくみについて分かりやすく、参考になった。また、著者の熱量が高く、ちょっと読み疲れる部分も。「知る権利」を憲法が保障すると書くが、21条「表現の自由」から導かれた権利であり、憲法条文自体にはないことは、ご自身が憲法学者なのだから解説されても良かったのではないか。ちょっと誤解を招きそう。それにしても立法府たる国会の議員が高潔でない社会は、こうした問題を解決することは困難なのかと思う。そういう意味で著者の告発は重要と思った。2025/05/28

けんとまん1007

56
政治とカネとなると、利権の2文字が浮かぶ。利権・・誰にとっての利益・権力なのかということ。この国の現状は、どうなのだろう。国・県・市町村レベルで、違いもあるように思う。ただ、曖昧な部分・隠された部分が多いこと、抜け道だらけであることは、それ自体が物語っていることがある。2024/10/03

みこ

31
記憶にある限りこの国で政治とカネが問題なならなかった期間が10年以上存在していないような気がする。その理由は問題発覚⇒抜け道ありの新しいルールを作るの繰り返しだから。一般企業なんて百均でボールペン1本買うのにも領収書が必要なのに〇万以下は報告しなくてOKみたいな非常識が常識として通っていることに改めて愕然とさせられる。収支報告記載漏れ罪みたいなものを作ったらどうなんだろう。2024/09/04

どら猫さとっち

12
昨年末頃から、主に自民党議員の裏金問題が発覚。それを告発したのは、神戸学院大教授の法学者だった。あれから、今最も注目され多忙となった著者が、裏金についての問題点と改善点をわかりやすく解説した入門書。裏金問題を摘発されたにもかかわらず、未だにのうのうと勤める自民党議員たち。怒りを抱えながら、本書を読めば、まだ諦めるわけにはいかないという希望が湧き上がる。全国民必読書が、ここに登場した。2024/08/04

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