内容説明
カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。初顔合わせとなったその日、「ブッダは悟りなんか開いてない」という宮田の爆弾発言を契機に歴史談義が始まった……。回を追うごとに話は熱を帯び、バーテンダーの松永も教科書を読んで予備知識を蓄えつつ、彼らの論戦を心待ちにする。ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活――を俎上に載せ、歴史の常識にコペルニクス的転回を迫る、大胆不敵かつ奇想天外なデビュー作品集。/【目次】悟りを開いたのはいつですか?/邪馬台国はどこですか?/聖徳太子はだれですか?/謀叛の動機はなんですか?/維新が起きたのはなぜですか?/奇蹟はどのようになされたのですか?/*本電子書籍は『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫 新装新版 2024年8月30日初版発行)を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつくさ
32
初読みの作家さん。歴史談義ミステリー。とてもおもしろかったです。思わず徹夜をしてしまいました。スピーディーでロジック溢れる説の数々に口をあんぐり開け、それだ!それで間違いない!と心の中で叫びまくっていました。シリーズ化してるようなので次も読んでみたい。2024/09/23
しーふぉ
21
BARの客が歴史談義をしているというもの。荒唐無稽な説ばかりですが、歴史を楽しむとはこういうことも含めてなのかなと思う。2025/05/10
なかりょう
15
ダイニングバーでの歴史談義?バトル?という体裁で、どのテーマも宮田の提示する説が本当に斬新。そんなアホなと読み進めているうちに、新しい視点を授かったような気になりました。鯨統一郎さんは初読ですが、シリーズにもなっているようで他も当たってみたいです。2025/07/06
ちゃあぼう
7
実在する過去の文献を今までとは別の角度から見ていくと、全く違う中身が見えてくるのが、斬新であり、とても面白かった。このように歴史を紐解こうとしても、結局はいくつもの解釈が出てきて、真実というものは分からないのかとも思える。その時々の権力者が自分たちの都合の良いものだけを残すのであれば、今現在の事柄さえも真実なのかどうかは誰にもわからないのかな。そう思いました。でも、この作品の歴史の解釈は面白かったです。2024/10/26
ドットジェピー
6
面白かったです2024/10/09