内容説明
切り撮れ、その一瞬を。スケートボードの《消えた金メダリスト》×崖っぷち中年カメラマン――熱き二人が魅せる新感覚スポーツ青春小説、第一弾! ◇あらすじ不祥事を起こし謹慎中の中年スポーツカメラマン与野は、ある夜渋谷で、東京五輪金メダリストの大和エイジと偶然出会う。金メダリストでありながら、次のパリオリンピックに出ようともせず、自由気ままに滑るだけのエイジに反感を覚えつつ、その圧倒的な力に魅了され、与野はエイジの専属カメラマン、通称「フィルマー」として、彼の日常の滑りを撮影することに。ともに最高のトリック(ジャンプ、空中動作、回転などの技)を追い求める二人だが、次第に連続窃盗事件や通り魔事件など、深夜の渋谷を取り巻く奇妙なトラブルに巻き込まれていく……。 2024年冬、第二巻発売決定!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
203
額賀 澪は、新作中心に読んでいる作家です。スケートボーダーの小説は初めてでした。巴里五輪の前に読めれば、もっと好かったと思います。スケートボード競技の本質を、本書で少し理解出来ました。スケートボードの本場、LA2028に期待です。 https://nukaga-mio.work/yorutobu2024/09/11
hiace9000
133
2021以降、世界的コンテンツとなったスケートボード。かつて横ノリアングラカルチャーの代表として"社会の邪魔者"だったストリートスケートは、東京五輪を契機に一定の市民権を得たと言える。タイムリーに執筆された今作は、スケートボードストリート五輪金メダリスト・大和エイジと中年スポーツカメラマン・与野との出会いから始まるスリリングなドラマ。コンテストスケートではない、あくまでもストリート発のカルチャーとしてのスケボー描き。駅伝や競歩等スポーツ作品を多く手がけてきた額賀さん。晴れやかで斬新な視点、楽しく読んだ。2024/08/20
のぶ
128
額賀さんの新作はスケートボーダーとスポーツカメラマンの物語。あまり知ることのなかった世界だったが、これを投稿したのがパリ五輪のスケートボード競技の直後だったのでタイムリーだった。競技を見ていてもどこが見どころか分かり難かったが、本作を読んで文章で細かな事を補ってくれているので、躍動感や難易度といったものについては少しわかるようになった。金メダリストだったエイジは、自由気ままな性格なのだが、深掘りしていくと色んな真相が見えてくる。主にエイジの生い立ちや裏の顔、与野の方は自身が抱える事情が描かれていた。2024/08/04
hirokun
100
★3 ちょうどパリオリンピックが終わったところなので、スケートボードについても関心が高まっていたこともあり、普段接点のないスポーツであるだけに興味を持って読めた。スケートボードについては、トリックなど何も知らなかったのだが、オリンピックの映像を思い浮かべながら読み進めた。スケートボードに取り組む選手たちが、この作品の主人公のような姿勢で取り組んでいるのかはわからないが、青春を真から楽しむことが出来る生活を送ることが出来る社会が、これからも継続していくことを心から祈りたい。2024/08/14
ナミのママ
99
額賀さんのスポーツもの、今作はスケートボード。それも東京5輪金メダリストが主人公。さらに舞台は目まぐるしく開発が進む現代の渋谷。タイムリーが重なりまさに旬の作品だ。表舞台から姿を消した金メダリスト18歳の大和エイジと、不祥事から謹慎中のカメラマン38歳の与野。夜の渋谷で運命のように出会った2人が遭遇する様々な出来事が5話、綴られている。世代間ギャップありすぎの噛み合わない会話にクスっと苦笑い。スポーツの意味、親子関係、友情。巻き込まれ度が高すぎと思いつつこの関係は好き。シリーズ化されるようだ。2024/08/02
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