ちくま学芸文庫<br> 天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼 ――日本五大どんぶりの誕生

個数:1
紙書籍版価格
¥1,320
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ちくま学芸文庫
天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼 ――日本五大どんぶりの誕生

  • 著者名:飯野亮一【著者】
  • 価格 ¥1,287(本体¥1,170)
  • 筑摩書房(2024/07発売)
  • 夏休みスタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/20)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480099518

ファイル: /

内容説明

どんぶり物を生み出したのは、江戸時代に生きたある男の“食い意地”だった。出前の蒲焼が冷めないようにと、蒲焼をご飯の中に入れ込んで楽しんでいたところ、それがまわりにも広まり、日本初のどんぶり物、うな丼が誕生する。それまで白いご飯の上におかずをのせるという発想を持っていなかった江戸っ子たちは、すっかりうな丼の虜となった。だがうな丼以降、新たなどんぶり物が誕生するには時間がかかった。天ぷら蕎麦や親子とじ蕎麦は江戸時代には生まれているのに、天丼や親子丼の登場は明治になってから。その背景には何があったのか? 膨大な史料から、どんぶり物誕生の歴史をひもとく。

目次

はじめに/序章 どんぶり物が生まれるまで/一 白米を常食していた江戸市民/二 ご飯もの屋の繁昌/第一章 鰻丼の誕生/一 鰻丼の誕生前夜/(一)酒の肴として食べられていた蒲焼/(二)付け飯をはじめたうなぎ屋/二 鰻飯の誕生/(一)大久保今助と鰻飯/(二)大久保今助とは/(三)大久保今助は中村座の救世主/(四)文化年間に売り出された鰻飯/(五)今助以前に存在した鰻飯/(六)鰻飯の元祖を名乗る店/三 鰻飯を人気食にしたアイディア商法/(一)『守貞謾稿』にみる鰻飯/(二)主食と一品料理を盛り合わせた鰻飯/(三)割安な小ウナギを活用した鰻飯/(四)割箸が添えられた鰻飯/(五)鰻飯にマッチしたタレの工夫/四 鰻飯から鰻丼へ/(一)一流店のメニューにも鰻飯/(二)鰻丼の名あらわる/(三)蒸した蒲焼の出現/(四)確立された蒸しの技術/五 鰻丼の普及/(一)中入れしない鰻丼が出現/(二)ウナギの養殖が始まる/(三)養殖ウナギの普及/(四)食堂のメニューにも鰻丼/(五)うな重の名が出現/第二章 天丼の誕生/一 屋台で売り始めた天麩羅/(一)天麩羅の屋台が現われる/(二)高級天麩羅の屋台が現われる/(三)天麩羅蕎麦の誕生/二 天麩羅茶漬店の出現/(一)茶漬店が天麩羅をメニューに/(二)天麩羅茶漬店の繁昌/(三)天丼より天茶が先/(四)天麩羅専門店が現われる/三 天丼の誕生/(一)天丼が売り出される/(二)天丼店が増える/(三)天丼の食べ方/四 天丼の普及/(一)天丼の名店が出現/(二)高級天麩羅店にも天丼/(三)蕎麦屋に天丼/(四)天丼は東京名物に/第三章 親子丼の誕生/一 鶏を食べなかった日本人/(一)時告げ鳥として飼われた鶏/(二)好んで食べられていた野鳥/(三)食べられていた鶏卵/(四)鶏卵を食べることが普及/二 江戸時代の鶏肉・鶏卵食/(一)料理書に現われた鶏肉・鶏卵/(二)養鶏業が未発達の江戸時代/(三)自由に商売できなかった鶏卵/(四)高価だった鶏卵/三 上下に格付けされた食材/(一)室町時代の食材の格付け/(二)身分違いの鶏と鶏卵/(三)江戸時代の鶏肉と鶏卵の料理/四 養鶏業の発達/(一)養鶏業の勃興/(二)養鶏戸数と生産量の増加/(三)親子の身分差が解消/五 親子丼の誕生/(一)親子丼が現われる/(二)料理書に親子丼の作り方/(三)親子丼の出前/(四)駅弁に親子丼/六 親子丼の普及/(一)鳥料理店に親子丼/(二)洋食店に親子丼/(三)蕎麦屋に親子丼/(四)デパートの食堂に親子丼/第四章 牛丼の誕生/一 牛肉を食べなかった日本人/(一)屠牛禁止令/(二)キリシタンと牛肉食/(三)江戸幕府の屠牛禁止令/二 江戸時代の牛肉食/(一)キリシタンとの結びつきが薄れた牛肉食/(二)彦根藩の牛肉食/(三)江戸市民も食べ始めた牛肉/(四)江戸の牛肉店/三 文明開化と牛肉食/(一)開国と文明開化/(二)中川嘉兵衛の牛肉店/(三)屠場の開設/(四)食肉処理数の増加/四 牛鍋の流行/(一)牛鍋店の出現/(二)東京に牛鍋店/(三)三種類あった牛鍋店/(四)牛鍋の種類/(五)牛鍋の調理法/(六)牛鍋の具には葱/(七)屋台店の煮込み売り/五 牛丼の誕生/(一)牛飯屋の出現/(二)屋台でも売られた牛飯/(三)関東大震災と牛飯/六 牛丼の普及/(一)第一次牛丼ブーム/(二)牛丼の名が出現/(三)食材を調達できた牛丼/(四)牛丼の魅力と第二次牛丼ブーム/第五章 かつ丼の誕生/一 豚肉を食べなかった日本人/(一)猪の飼育禁止令/(二)復活した豚の飼育/(三)豚肉の食用が始まる/(四)外食の場に豚鍋/二 カツレツの普及/(一)カツレツの名が出現/(二)薄切り肉のカツレツ/(三)厚みを増したカツレツ/(四)カツレツにウスターソース/三 とんかつの名が出現/(一)増えた豚肉の消費量/(二)とんかつの名が現われる/(三)一品洋食店にとんかつ/(四)とんかつの普及/(五)厚みを増したとんかつ/四 かつ丼の誕生/(一)かつ丼が売り出される/(二)洋食店にかつ丼/(三)食堂にかつ丼/五 かつ丼の普及/(一)蕎麦屋にかつ丼/(二)料理書にかつ丼の作り方/(三)かつ丼は和洋折衷料理の傑作/おわりに/参考史料・文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Koji Eguchi

63
めったに読まない解説本?!★★☆。丼はどれも好きで、生まれた順番やその経緯は興味深かった。前の方は古文も一応読んでみて解説で理解していたが、後ろの方では古文を読むのに疲れてきてすっ飛ばした。しかし古い文書にいろいろ記載が残っているもんだね。当時の看板を沢山記録しているのなんて、よくぞ残してくれたという感じ。日記に書いたなんてことないその時の食べたものが重要な記録になっている。明治時代の文明開化と切っても切れない洋食の拡がりは、当時の市民の活性を感じさせる。昔の丼がどんな味だったのか食べてみたい。2020/04/02

ホークス

50
2019年刊。5種の丼物の誕生と普及の流れを丁寧に語る。当時の品書きや屋台の絵も楽しい。鰻の蒲焼きは元禄年間には酒肴として売られた。飯で食べさせる店は、タレに味醂を使って大流行。明治に鰻の養殖が始まり大衆化する。親子丼は意外に難産だった。長らく鶏肉はタブーとされ、卵は食べて良いけど高価。親子丼最古の品書き(神戸の江戸幸)は明治のもの。天丼は天茶より後に登場。寛政年間に様々な茶漬店が流行り、立食い店の天ぷらを取り入れた。牛丼は安さもあり、関東大震災直後に凄まじく売れて被災者を救った。日本人は昔から牛丼好き。2022/09/13

どぶねずみ

41
明治時代を中心に丼料理ができるまでの歴史から、食肉文化が誕生するまで幅広い雑学。この本の参考文献もものすごく多い。元々観賞用だった庭鳥が食用の鶏になったり、ご飯のうえにおかずをのせるとか、玉子でとじるという食文化もなかった江戸時代。鰻が覚めないようにご飯と一緒にお重に入れて鰻重は誕生したことが、全ての丼料理の始まりらしい。丼食べた~い。2019/12/11

みつ

38
「日本五大どんぶり」の誕生の歴史を辿る本。扱う順は、歴史に沿って、うな丼、天丼、親子丼、牛丼、かつ丼となる。江戸時代の江戸で多く白米が食べられ(それゆえ脚気を「江戸患い」と呼んでいたともどこかで読んだ)、丼が出来る素地もありそう。ただし、うな丼以外がすべて明治以降に出来上がったとは少々驚き。屋台が多くあった天ぷらさえも、天そば、天茶漬けが先行したとのこと。うな丼に割り箸が不可欠な理由、親子丼では卵の方が鶏肉よりも高価など、食欲をそそる記述が満載。持病のため炭水化物である米食は控え気味なのがつくづく残念。2025/03/05

Shin

25
題字のフォントとあいまって今年読んだ本の「タイトル・オブ・ザ・イヤー」に認定したくなる。主に江戸以降の文献を紐解きながら、日本5大丼の誕生の経緯を探る楽しくも真面目な食文化史。丼が主題ではあるが、江戸や明治の人々が少しでも美味しいものを食べよう、食べさせようとした記録の中に、とても生き生きとした日本の近代史が浮かび上がってきて上質な歴史ドキュメンタリーにもなっている。親子丼の章の「鶏の親子の間を長い間隔てていた壁が、明治維新という新しい時代の波によって打ち砕かれたのだ。」というクダリが大好き。2019/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14215425
  • ご注意事項

最近チェックした商品