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内容説明
盧武鉉政権時代の2004年、軍事独裁政権下で起こった不可解な事件を調査する「国家情報院過去事件真実糾明発展委員会(真実委)」が設置され、情報部(KCIA)の秘密資料の調査や、当時の関係者へのヒアリングなどから、金大中拉致事件、大韓航空機爆破事件などに政府がどう関わっていたか、その真相が明らかになった。この資料に加え、文献・史実、さらには著者自身が金泳三、金大中と直に交流した実体験も交え、朴正煕大統領暗殺事件、光州事件、ラングーン事件、東亜日報記者拷問事件…など、民主化を勝ち取るまでの激動の韓国現代政治史を、表と裏から振り返る。
目次
はじめに
第1章 朴正煕軍事独裁政権の終焉
第2章 全斗煥新軍部政権の登場
第3章 軍政延長の盧泰愚政権――民政への移行期
第4章 軍政から民政への政権交代
終章 新しい日韓関係の構築をめざして
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
70
タイトルにある「秘密資料で読み解く」に期待すると少し肩透かしな印象で、むしろ朴正熙政権末期から金大中政権までの象徴的な出来事を臨場感溢れる筆致で詳述している部分に本書の魅力を感じた。特に自分が大学4年の時に起こった光州事件について、当時日本のメディアは報道できず、キャンパスでの新左翼系の学生達(超少数派だったが)が情報を提供していたもので知る程度だったが、リアルに事件の実態が書かれている。その他金大中拉致事件、朴正熙暗殺、ラングーン事件などもその成り行きを詳しく書いている。最後の木浦共生園の話も染みた。2024/09/07
ジュンジュン
14
突然の戒厳令に揺れる韓国。戒厳令発令は45年ぶりだとか。その45年前のきっかけとなったのが朴正煕大統領暗殺事件。本書はそれを含む軍事政権下で起こった様々な事件(主に民主化運動に対する弾圧)を検証する。紆余曲折を経て民主化成った2004年、過去の暗部を明らかにする調査機関が立ち上がる。その成果を生かしているので非常に面白い。それにしても金泳三や金大中と親交がある著者は一体何者?2025/01/09
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
10
▼著者は東アジア国際関係論、日韓関係史の専門家。▼韓国で、軍事独裁政権下で起こった不可解な事件を調査する委員会が'04年に設置された。秘密資料の内容や関係者への調査等から様々な事件の真相が露わになった。その様な資料や著者自身の研究で明らかになった事柄をもとに韓国現代政治史を分析している。▼朴正煕時代から金大中時代が話題の中心。特に金大中拉致事件に関する日本政府と韓国政府のやり取りの記録は生々しい。▼80年代に激動した韓国民主化の歴史を詳しく知ることが出来る一冊。韓国文化に関心のある若者にも薦めたい。2024/09/06
二人娘の父
10
韓国の政治体制で言うと朴正熙から金大中までを主とした政治史。タイトルの「秘密資料」の意味がよくわからないが、著者がこの時代を生きたものとしての実感を込めた振り返りがされる。著者の政治的な立場が不明だし、朴正熙時代をそこまで評価してもいいのかは、外部の者としては正直分からない。ただ、政権交代ということが、日本とは比較にならないほど行われ、かつその実相も分からない所も多い中で、著者なりの評価は参考にしなければならない。激動という言葉しか当てはまらない韓国現代史に触れる事ができる1冊だ。2024/09/03
すのさ
7
「秘密資料で読み解く」というタイトルは誇大だと思うが、韓国政治史を読みやすくまとめているという点で良い一冊。朴正煕から金大中に至るまでの各政権で起こった政治史について、出来事ベースで語られていくため、この本自体が物語的で面白いし、韓国現代史が激動の時代であることは間違いない。クーデター、暗殺による政権交代、弾圧、拷問など多数の犠牲のもとに民主化運動は進展し、ようやく金泳三政権期に完全な民主化を成し遂げた国家。ソウルオリンピックに至るまでの過程や金泳三の来日など、知らなかったエピソードも興味深く読み進める。2025/11/30




