内容説明
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作
『レモンと殺人鬼』
の著者が放つ新たな衝撃
企みに満ちた
戦慄のサイコサスペンス
彼を見殺しにした男達を私は許さない
純真な愛の果て!
(あらすじ)
古民家カフェの崩壊事故に巻き込まれ、一緒にいた盛岡颯一を喪った日羽光は、彼を見捨てた医療従事者らしき二人の男を探す。なぜ彼らは颯一を助けようとしなかったのか、問いたださねば気が済まなかったのだ。やがて光は男のひとりの身許を特定して接触を図るが、彼は突如として何者かに銃殺されてしまう。一方、もうひとりの男・薬師も光の行方を捜していた。戦慄のサイコサスペンス!
(著者プロフィール)
くわがきあゆ
1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『焼けた釘』(産業編集センター)で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』(宝島社)で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
429
前作の継承路線であるのは間違いなく、後発な分、『レモンと殺人鬼』よりインパクトが薄まって感じる読者が多いのは否めないかなと思う。しかし、個人的には今作の光さんの清々しいほど徹底された行動力は、なんだか応援したくなってくるようなポジティブさを感じてしまって好きだったww もはや笑わそうとしてるのかというくらい、終盤で明かされるエピソードの数々が面白い。序盤は変に含みを持たせて読みづらくなってしまっている部分もあるけれど、それもつかの間で、300頁をサクッと読み終えることができる。2024/09/18
bunmei
196
『レモンと殺人鬼』の著者の新作。復讐心と狂気に満ちた企みが絡み合う中、人の強欲と傲慢によって絶望的な泥沼に引きずり込まれるサイコパスミステリー。全ての登場人物が、醜い心に闇を抱え、全く寄り添えない人物ばかり。特に、後半で明らかになる主人公・日羽光の猟奇的とも言える振る舞いには、戦慄を覚える。また、光と彼女の復讐相手となる薬師との視点を変えて展開することで、正反対なサイコパスな世界観が広がっていく面白さもある。虐待や貧困、臓器移植等の社会問題も加味して、人の深層心理を深く抉るサスペンスとして仕上げている。2024/08/28
モルク
144
古民家カフェで起こった崩壊事故で恋人を喪った光は彼を見捨てた男たちを捜す…と、単なる復讐ものではない。光の異常な心理と行動、それは恋人を喪った哀しみではなく…とにかくその執念や偏りが異常。彼女だけではなく登場人物全てが異様。なんなんだこれは…と思いながら、つい手に取ってしまうくわがきあゆ作品。もはや中毒か。2025/07/31
hiace9000
135
冒頭「病的に粘着質で偏執狂の女が短絡的に目の前の事象に追い縋り復讐しようと迷走する」話かと思いきや、眼前で次々起こる悲劇の証人となり、そこからの二転三転はあえての「後出しジャンケン的」種明かし。これも今作に妙にマッチ。とにかく登場人物"悉皆サイコパス"。悲劇の主人公かに思われた女は、復讐の泥沼の底に潜むアリジゴク的とんだ疫病神。もはやサイコホラーの領域にツッコんでいます。中編文庫本ながら強烈な喉ごしの悪さは相当なインパクト。アクの強さがクセになる人、多分ありかと。主人公の名は、「光」。いやはやなんとも…。2024/09/25
のり
131
また新たな悪女が誕生した。その名は「日羽光」。悪意の欠片すら持ち合わせない天然悪。関わる者は次々と闇に飲み込まれ、生活を奪われる。あまりにも陰湿な追い込み方。理屈は通じない。歪んだ思考。野放しにしていては新たな犠牲者が生まれるだろう。誰か彼女を止めてくれ〜。2025/01/05
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