内容説明
戦場で両脚を失った作家が、義肢からBMIまで、障害支援機器との接合がもたらす心身の経験を当事者視点で考察した出色のエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
22
どこから人間なんだろうね。記憶をAIに任せ始めてもまだハイブリッドヒューマンとして存在していいのかな。決定まではいける?意思までは?意思する前に神経が走ってるっていうけど、それはAIに置き換えることができる?身体として考えると理解できるけど、神経って考えると怖いよね。2025/12/26
ズー
19
戦地で地雷を踏み、両足を無くした著者の心の機微と、体と機械の様々な関係性の取材などなどのノンフィクション&ルポ。私の想像力や知識は全然だと思った。障害者の人たちが抱える色々な問題、この本を読んで、確かにそうだろうな。なぜ気づかなかったのだろうだらけ。著者が非常にポジティブで好奇心旺盛だからこそ、面白く読める一冊になっている。高齢時代、歩くのが困難な人も増える中、機械の脚を装着するのも選択肢に入ってくるのかもしれない。後半金継ぎが出てきたのも良かった。リバースデー、確かに。今までの世界がガラッと変わる。2025/07/04
taku
17
ページ数は多くなくても内容はボリュームあり。著者が両足の義肢装着を精神的、肉体的に受け入れていく過程は生々しい。心情の吐露、神経痛や幻肢痛。相手の気持ちになるとか、聞こえのいい言葉は気安く使えないな。欠損や機能不全を支援する技術は素晴らしく、課題改善しながら発展していくんだろう。先端医療は費用も高額だから誰でもとはいかないが。一番の読みどころはヒューマンに込められた想い、当事者たちの声。身体の一部が人工物に変わっても、人間である、私であるとの意識をどこに置くのか。どのように変化を受け入れているのか。2025/03/10
shikada
15
アフガニスタン紛争で両足を失った作家による、義肢や障害についてのエッセイ集。著者は「障害(disabled)」という呼称に違和感を持つが、常人の能力を超えたニュアンスを持つ「サイボーグ」も違う、そこで体重の約12%が機械である自身を「ハイブリッド・ヒューマン」と自認する。足を失うのはショッキングな出来事だが、著者はリハビリで義肢に少しずつ慣れ、仕事や家庭を持てることに幸運を感じる。一方で健常者からのヘイトを受け、奇妙なフォルムをした自身の足を「恥」「怪物」と感じる。2025/01/12
まんぼう
6
兵士という肉体的・精神的に強者である立場から両足切断という経験をした著者が恐れや恥といった心情を率直に吐露し、そこからあらゆる弱者とマイノリティが持つ苦悩へと続き、しかしそれを障害を負ったとはいえ自身の持つ優位性(イギリス国籍の白人男性、傷痍軍人)ではとうてい想像しきることは出来ないという気付きに繋がっていく最後の2章が印象的だった。2025/05/10




