森の鹿と暮らした男

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森の鹿と暮らした男

  • ISBN:9784767832746

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内容説明

「不思議で、魅惑的。この本は別世界への入り口だ」 ――ジェーン・グドール(動物行動学者)

「まさに現代の寓話」――英タイムズ紙

ひとり森に入り、シカを友として生きた青年の7年間の記録。
フランスでベストセラーとなり、世界12ヵ国に翻訳権の売れた感動の体験記!

「著者ドロームはいわば「シカになって」森で暮らし、シカと意識の交流をし、読者を感嘆させるような体験を記述している。森の中から見た自然の記述は詩のように美しく、翻訳もすばらしいものだと感じた。」
<解説/高槻成紀 より>

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハッシー

56
★★★★★ 読友さんに頂いた素晴らしい作品。読んだことのないジャンルの本だった。こんなユニークな体験をし、それを文章化した人間はこれまでいなかったのではないかと思う。7年間ひとりで森で暮らし、鹿と信頼関係を築き、まさに鹿となって生きた著者が記した森の話はまさに別世界の体験だったし、人間が行う自然破壊を野生動物の視点から語ったメッセージには胸が締め付けられた。人間と鹿がわかり合い、言葉を交わし、信頼し合うことができるという奇跡を美しい文章で綴った本書は、まさに「現代の寓話」という表現がぴったり。2024/06/26

マリリン

37
ノロジカの姿や感情・眼差し、深い森の中の息吹を感じる風景をとらえた写真の美しさに感嘆する。自然写真家でもある著者が、どのような経緯で森に入りノロジカと暮らしたか、生活の様子と、森を出る決意をした経過が淡々と語られている。厳しい気候の中で生きる能力があるノロジカに対し、森での生活が人間の健康に及ぼす影響。仲間(シカ)に囲まれ人生を終えたい気持ちと、林床を構成する小さな植物を根絶やしにされ、テリトリーを奪われ暮らしに困っている仲間のために行動を起こさねばとう気持ち。後者を選択した著者の今後の活動に注目したい。2024/05/27

ろべると

11
7年もの間森に住み、ノロジカ達と過ごした青年。冬の寒さに耐えながら暮らす日々は、彼を完全に動物たちと同化させる。シカたちも彼を仲間として扱い、子守りを任せるまでに。一緒に木の実を探したり、ハイカーや鷹から身を隠したり、まさに野生動物視点の生活であり、上から目線の動物愛護ではなく、動物を代弁して人間との共生を訴える主張には説得力がある。動物と同じ立ち位置に人間が立つことの是非についても考えさせられる。それにしてもノロジカ(日本の鹿より小型で聡明なようだ)たちが何と生き生きと描かれ、その表情の愛らしいことか!2024/12/04

コトノハ小舟

5
鹿のお腹を枕に眠るメルヘンに子供の頃から憧れていたが、そういう世界を現代でも実現した大人の男性がいたんだなーと興味津々で読んだ。ややこしい言葉や思考のない世界で紡いでいく鹿との友情、どんなに心安らぐものだったかと想像する。人間社会に馴染めず逃走してきた筆者にしたら尚更だろう。しかし、流石の筆者も健康上、これ以上は森での生活は続けられなかったという。メルヘンではない現実はシビアだ。でも古の人間は動物や植物ともこれに近い感じで交流できたのではないか?自然を破壊する事は自らを傷つけるに等しい、という言葉は重い2025/03/21

Mayumi O

4
当たり前だけど、本当にタイトル通りの暮らしをした方だったのだと驚いている。鹿の営む暮らし、森の動物たちのことなど、暮らしてみないと分からないものを垣間見る(読む)ことが出来て、豊かと言うよりもとても濃厚な読後感でいる。2024/06/10

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