内容説明
全体像を一気につかむ、知の見取り図。歴史、宗教、ジェンダー、石油経済、ビジネス、紛争、難民――中東のダイナミズムを、16の論点から解き明かす。最新の研究に基づく必読の入門書。
目次
序章 中東を「学ぶ」(末近浩太・松尾昌樹)
第1部 繁栄する文化
1 言語と宗教(竹田敏之)
2 歴史叙述(小笠原弘幸)
3 アラブ小説(柳谷あゆみ)
4 中東の近現代思想(岡崎弘樹)
第2部 変容する社会
1 ジェンダー(嶺崎寛子)
2 移民・難民(錦田愛子)
3 都市と農村(柏木健一)
4 メディア(千葉悠志)
第3部 躍動する経済
1 経済開発(土屋一樹)
2 石油/脱石油(堀拔功二)
3 イスラーム金融(長岡慎介)
4 中東でのビジネス(齋藤純)
第4部 混迷する政治
1 世界のなかの中東(今井宏平)
2 紛争(江﨑智絵)
3 パレスチナ問題(山本健介)
4 宗教と政治(高尾賢一郎)
終章 さらなる学びへ(末近浩太・松尾昌樹)
コラム
中東の音楽映画(中町信孝)
言葉に映し出される家族(村上薫)
ほんとうのバーザール(岩﨑葉子)
権威主義と民主主義(渡邊駿)
中東を学ぶ人のための必読文献リスト
中東を学ぶ人のための国別データシート
索引(人名・事項)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
大宅世継がない
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中東における政教分離や、ジェンダー・オリエンタリズムの部分が面白かった。中東では宗教が政治管理の対象であって、社会・文化の維持を中心に、公式のイスラム見解を述べるというのは、よくイメージされる神権政治のようなものとは別で、改めて学ぶ意味のあるものだと考えた。 また、イスラームに対する女性抑圧のようなイメージも、「宗教は社会を良くするもの」としての意義を考えれば、単に教義から来るものでも無さそうである。西欧諸国が中東に迫る、政治改革の要求に対する抵抗のようなものもあると考えた。2026/06/29
雪だるま
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2023年に起こったハマスによるイスラエルへの軍事攻撃とそれによるイスラエルの反撃は世界に大きな衝撃を与えた。中東は多くの地下資源を保有し、地政学的にも重要な土地であるが、その内情はあまり知られていない。パレスチナにおいて、話し合いによるイスラエルとの和平を模索するファタハと軍事衝突も辞さないハマスとの間で大きな意見の隔たりがある。長い歴史で積み重ねられた妥協できない事情があるため、解決は容易ではない。2024/12/01
お抹茶
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政治経済が中心。地域共通の教育言語・メディア共通語として,現代フスハーを現代アラビア語として流通させることで,アラビア語圏という連帯と帰属意識を生んだ。20世紀半ばまでに中東地域では多くの国が民族主義思想を支柱して脱植民地化を果たしたが,1970年代以降には独裁政権の長期化と,それに呼応するイスラーム復興という経験を共有した。各地の戦乱の中で,宗教・宗派・民族という枠組みが動員された。イスラーム金融のブダーラバは共同事業者のようなしくみで急成長を遂げた。非暴力のファタハと武装闘争のハマースの一致は難しい。2024/10/04




