ちくま新書<br> 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学

個数:1
紙書籍版価格
¥1,034
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま新書
「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学

  • 著者名:小塩真司【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2024/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076311

ファイル: /

内容説明

ダークな性格として、典型的なものは「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の四つである。それぞれの特性、測定方法を紹介、また仕事の相性、職場での行動、人間関係、異性との付き合い方等を分析し、どんな問題に結びつきやすいか、さらにその気質は遺伝なのか、環境なのかにも迫る。「悪い」性格が社会に残っていることには理由があり、どんな人にもダークな面はあることも明らかにする。

目次

序章/名前をつけられることで注目される/面接でその人の将来を想像する/面接での直観は信用できるのか/ダークな性格は外在化問題に結びつきやすい/そもそも「性格」とは何なのか/良い性格と悪い性格は合わせ鏡/心理学の中の良し悪しの研究/ダークな性格の測定/ダーク・トライアド研究の広がり/第1章 ダークな性格とはどういうものか/1 四つの典型的なダークな性格/ダークな性格を表現する言葉/2 マキャベリアニズムとサイコパシー/マキャベリアニズムの発見/サイコパシーという心理特性/典型的なサイコパスとは/サイコパシーの測定ツール/3 ナルシシズムとサディズム/ナルシシズムという言葉の由来/病理としてのナルシシズム/過敏なナルシシズムの側面/ナルシシズムの測定方法/サディズムという言葉の由来/測定されたサディズムの特徴/4 五つ目の性格スパイトと、ダークさの中心/五つ目のダークな性格、スパイトとは何か/ダークな性格の中心/第2章 ダークな性格とリーダーシップ・仕事・社会的成功/1 ダークな性格とリーダーシップ/ダークな性格の代表的な悪徳経営者/カリスマ的リーダーに多いダークな性格/カリスマ的リーダーの代表、ジョブズとマスク/2 職場の中のダークな性格/企業の中でよく見られるサイコパシーな人々/組織での心理的安全性の重要さ/職場の逸脱行動とはどういうものか/ダークな性格と非生産的職務行動/サイコパシー要素がもつ意味/3 ダークな性格が得意なこと/学部専攻に見られるダークな性格の特徴/ギャンブルとダークな性格/他者操作が役立つ仕事/4 ダークな性格は、社会的成功につながるのか/ダークな性格のどんなところが成功につながるのか/ダーク・トライアドと職場の雰囲気/第3章 身近な人間関係の中のダークな性格/1 恋愛関係とダークな性格/恋愛スタイルの六タイプ/見知らぬ人に「今晩、一緒に過ごしませんか?」と言われたら/ナンパとダークな性格の関連/2 ダークな性格の生活スタイル/夜型で街を好む性格/情緒的な結びつきのない性的関係を好む/マッチングアプリとの親和性/マッチングアプリで荒らし行為をする人々/略奪愛とダークな性格の高さ/カップルの満足度とダークな性格/第4章 ダークな人物の内面はどうなっているのか/1 ダークな性格の心理特性/性格の構造/ビッグ・ファイブ・パーソナリティ/2 HEXACOモデルの登場/六番目のH因子とは何か? /心理学の歴史の中の「気質」/3 ダークな性格と自尊感情/「自己肯定感」でなく、自尊感情/ダークな性格と自尊感情の不安定さ/潜在的自尊感情/4 ダークな性格の持ち主は、自己概念が明確でないのか/自己概念の明確さ/オンラインでの自分の出し方/自分の姿をモニタリングする/5 共感性とダークな性格/「認知的共感性」と「情動的共感性」/ダークな性格と抑うつ・不安/過敏なダーク・トライアド/孤立すると何が起きるのか/第5章 ダークな性格は遺伝するのか/1 性格は、遺伝か環境か/優生学の広がり/心理学における、環境への注目/再び遺伝への注目/2 性格特性は連続的なものである/性格特性の遺伝とは/親から子にどれくらい伝わるのか/集団と個別ケース/3 性格に与える環境の影響/環境と言ったとき、何をイメージするか/双子の研究でわかること/ダークな性格の遺伝率/育てられ方で差が出るのか/予測不可能性はダークな性格を助長する/ダークな性格と生活史戦略/4 自分の中にダークな性格を見つけたら/自分の中にダークさを見つけた脳科学者/性格の安定性とは何か/ダークな性格の安定性/第6章 ダークさとは何か/1 「良い性格、悪い性格」とは何なのか/望ましい心理特性/注目を集めるグリット(やりぬく力)/自尊感情万能論への批判/自尊感情だけ伸ばすのは難しい/2 長所と短所は切り離せない/ギフテッド教育の難しさ/心理特性のネットワーク/行動の動機/七つの大罪/3 社会の中でのダークな性格/ステータス・ゲームからは逃れられない/社会の中での攻撃/長期的な社会の変化/平和はいつまで続くのか/ダークな性格が残る理由/最後に/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

154
ダークな性格の典型例とされる4分類を世界の政治家に当てはめると、ナルシシズムはトランプでサディズムは金正恩、マキャベリズムが習近平でサイコパシーはプーチンか。自分が絶対に正しいする強烈な自尊心を抱き、侵そうとする者に容赦ない怒りと憎悪を向ける。こんな性格の悪い指導者に率いられた国はしばしば他国と諍いを起こすが、その目的のためなら手段を選ばず、果てしない自己正当化もためらわない性格は揺るぎない強さと見なされて支持者も多い。しかし個人のカリスマが主導する国家は、その個人が失われたら簡単に瓦解してしまうのだが。2024/09/09

どんぐり

85
マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシズム、サディズムの4つに、スパイトを加えたダーク・ペンタッド(5つ組)。この本では、これらのダークな性格の特徴を上げ、さまざまな問題を引き起こすことを論じている。自尊感情や外向性、攻撃性や衝動性など、その性格特性との結びつきもわかって面白い。ダークな性格が必ずしも悪いわけではない。ネガティブな面をポジティブに変換して考えてみるとよい。多少そのような性格特性をもった人がいることに気づくはずだ。→2025/05/14

ゼロ

79
表題にある「性格が悪い」とはどういうことか?に対して、明瞭な答えがなかったように感じた。副題にあるダークサイドの心理学がメインで、心理学について論じられていました。マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシズム、サディズムの4つに、スパイトを加えたダーク・ペンタッド(5つ組)。心理学も時代により研究対象が変化しているのが分かり、またダークサイドの人間は長期的な人間関係の構築には向かない。それ故に昔より丸くなったと言われるのだろう。時にはダークサイドを出して、仕事を進めるのは大事なので、使いようって感じがした2025/07/26

よっち

39
「人をコントロールしたい」「私はほめられて当然だ」「人が苦しむ様子を見てしまう」あなたの中にもある「ダークな面」を心理学が分析する1冊。ダークな性格として典型的な「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の4つそれぞれの特性に解説を加えていきながら、傾向を踏まえてどんな問題に結びつきやすいか、望ましくない性格にも有用とされる一面もある一方、どんな人でも少なからずダークな面を抱えていて、それが社会で残り続けているきちんとした理由を明らかにする、なかなか興味深い1冊になっていました。2024/08/04

shikashika555

38
うーん…。 読みにくかった…。 性格が良いとか悪いとか、とても情緒的で主観的なカテゴライズに無理があるような気がする。 ダークな性格をさらにカテゴリー別に分け説明しているのだが、それは必要なことなのだろうか。 今のところ私には合わないタイプの考え方だ。 2024/09/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22001759
  • ご注意事項

最近チェックした商品