内容説明
ある日、「推し」が犯罪者になった――
わたしは、わたしたちは、どうすればいいんだろう。
韓国芸能界を震撼させたスキャンダルを巻き起こした、あるK-POPスターの熱狂的ファンだった22歳の映像作家が記した、愛と葛藤の全記録。
「成功したオタク」とは果たして何なのか?
その意味を新たに定義する、連帯と癒しのノンフィクション。
本書には、映画『成功したオタク』では、そのすべてを聞くことのできなかった仲間たちへのインタビュー、そして、ひとりのファンとしての“思いと時がつまった”日記と映像作家としての撮影日誌をすべて収録。
「全力で愛するのは難しい。
愛するのをやめるのはもっと難しい。
だから、力を抜いて。
この文章を読んでいるあなたは、何かを愛さずには生きていけない人だから。
あなたの大切な心を失ってしまうのは、あまりにも惜しいから。
心の傷がうずき、癒える過程を経てさらに強い人になれるように。
いつかは長い時をともにできる魂のパートナーに出会えるように。
誰かを愛する自分自身をもっと好きになれるように。
自分なりの「成功したオタク」として生きていくことができるように願っている」
――オ・セヨン(本文より)
目次
第1章 成功したオタク日記
第2章 わたしたちのインタビュー
第3章 話せなかった言葉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
10
映画「成功したオタク」はなかなかの衝撃作だった。「推し」という概念への理解が及ばないこともあり、「そこまで若い女性(男性も?)を虜にするアイドルとは?」というのが映画の感想だった。本書では映画の内容にプラスして、監督である著者の内面にさらに接近できる。同時に、映画製作という分野に羽ばたいていく、一人の若者の挑戦の記録でもあり、その面でも同じ志をもつ方にも参考になるのではないか。「推す」という行為・行動について、さらに興味を持った。深めていきたい。2025/07/23
えつ
8
NetGalleyにて。15年以上K-POPを聴いていた身からすると、とても衝撃的だったあの事件。過去に好きだったグループのメンバーも関与していたから、少し気持ちが分かる部分があった。 わたしは、芸能人に至っては、一度好きになったら基本嫌いにはならないので、スキャンダルが出て、逮捕とかされても嫌いにはなれないと思う。たとえどんなにクズだったとしても、やっぱり完璧な人間なんていないので、前みたいに推せなくても、陰ながら応援くらいはしちゃうだろうな。映画も気になるな…。2024/09/30
doapon
6
映画観る前に読んじゃったけど すっっごいおもしろかったし、ファン心理に胸がギューっとなる。ライン引きたくなる言葉がたくさん。あんなに推しに対して熱狂的だったのに、事件に悲しみ悶えながら、「自分にとって推しとは、推し活とは何か」を独りよがりにならず、オタクたちとの対話を通して分析しようと試みた著者(監督)には「市井の人の知性」を感じます。あの人この人の(元)ファンにすすめたい〜って気持ちになりますが、まだ傷が新しい人に対して押しつけよくはないね。とりあえずMIU404の伊吹藍はどこの国でもモテる😂2025/07/09
lyrical_otoca
6
ドキュメンタリー映画『成功したオタク』の監督の映画撮影までの日記から、ドキュメンタリーパートのインタビューの文字起こしがあり、最後に『成功したオタク』撮影後の心境のエッセイがある、『成功したオタク』副読本。『成功したオタク』を見た後に読んだ方がいいと思う。二度と推し活しない!って言ってた人が結局また別な推しを見つけて推し活してるのはオタクの業だよなぁ……。2024/12/25
にーも
5
映画観たいけれどまだなんですよ! でも買っちゃった。 傷の治し方として最高にエネルギッシュな方法を使う人、強くてかっこいいオタクだ!と感動。 来日の際の日記が好きです。桜を見られて良かったね!2025/04/22