内容説明
意表を突くドラフト戦略と、“ドラフト外”を駆使したスカウティング。ターゲットを定めたら大出血もいとわない超大型トレード。弱小チームを常勝軍団に変えていく見事な手腕は「根本マジック」「剛腕」「球界の寝業師」などと呼ばれた。
日本全国に張り巡らされた人脈を駆使して球界での出来事はすべて知っていたという情報網。戦後の闇市でヤクザ者にも一目置かれ、財界の大物オーナーたちとも対等に渡り合う胆力。もはや伝説となったGM(ゼネラルマネージャー)としての根本陸夫の業績とエピソードの数々は、どこまで真実なのか?
栗山英樹、松沼博久、渡辺久信、鹿取義隆、愛甲猛……。さらに最側近だった浦田直治、黒田正宏らの新証言をもとに浮かび上がるオモテとウラ、成功と失敗、栄光と挫折。
もう二度と現れないだろう“球界のフィクサー”が異様な輝きを放ち球場の外が過熱した時代を描くアンダーグラウンド野球ノンフィクション。
【著者プロフィール】
髙橋安幸 (たかはし やすゆき)
1965年生まれ。新潟県出身。ベースボールライター。日本大学芸術学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。著書に「根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男」(集英社文庫)、「「名コーチ」は教えない プロ野球新時代の指導論」(集英社新書)、「伝説のプロ野球選手に会いに行く」シリーズ(廣済堂文庫)など。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
54
何かと野球を例にして話してしまう世代なのですが、根本さんという人は、ある意味理想の上司であるなと感じました。そして、そのDNAは、脈々と引き継がれていると。これは素晴らしい一冊です。先日読んだ中西さんの作品にも、この作品にも栗山英樹さんが登場します。栗山さんが、日本野球のキーパーソンなのかもしれません。2024/12/09
gtn
21
「作戦は下手だったですね。ものすごく大雑把でした」と根本監督を評する選手。だが、根本氏が語るように、自身の役割は「土木事業」であり、将来の基礎を築くこと。実際、彼からバトンを引き継いだ監督は、広島、西武、ホークスを優勝に導いている。"土木"だけではない。将来を見据えた企画力。西部、ホークスに至っては常勝軍団に引き上げた。それを成らしめたのは結局器の大きさ。誰もが彼に応えたいと思わせる何かがあった。2024/10/20
nishiyan
17
前作『根本陸夫伝―プロ野球のすべてを知っていた男』文庫版刊行から数年が経ち、再取材のきっかけとなった愛甲猛を筆頭に松沼博久、渡辺久信、松永浩美、栗山英樹ら11人の証言を元に根本陸夫の実像に迫ったノンフィクション。興味深かったのは浦田直治、島田正博、小川一夫の証言である。彼らの証言から部下に任せながらも任せっぱなしにはせず、要所は押さえている根本の仕事ぶりが伺える。エピローグの広岡達朗氏への取材顛末は広岡氏らしい発言の数々には閉口したが、根本氏が語っていた広岡氏の人物像を締めに持って行ったのは印象的だった。2024/08/13
merci
5
☆☆☆前作『根本陸夫伝―プロ野球のすべてを知っていた男』の続編。著者の根本愛を感じざるをえない。 巻末の広岡さんのコメントのおかげで、根本礼賛本にならず、根本さんの実像が見えてくる。もうこんな人は現れないだろうが、栗山英樹には期待をしてしまう。2024/10/09
Tak
4
エピローグの広岡さんの話がとても最強時代を共に作り上げた同士の感じが全く無いところがとてもこの2人らしいなと思いました。凄い人とは思いますが部下にも恵まれているし時代が味方してくれたのだろうと思います。2024/09/07
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