内容説明
わたしがわたしであるために、
物語がつづきを書いてと叫んでいる。
少女から大人への――はてしない物語。
中学生の本村結芽は、急死した伯母の部屋で、愛読する児童書の原稿を見つけ舞い上がる。
『鍵開け師ユメ』シリーズは、孤独な小学校生活を過ごした結芽にとって、唯一の友達であり、心の拠り所だった。伯母は、その作者イズミ・リラだったのだ。
最新作を夢中で読むが、しかし遺稿は未完のまま。どうしても続きが読みたい結芽は、自分で物語の続きを書くことを決意する。
第一巻からページを繰り、主人公ユメの魔法の呪文を唱えると、物語の中へ飛び込めた結芽。ファンタジーの世界と現実を行き来できるようになり、自らの冒険を書き記していくが、何かが足りない。
物語に息吹を吹き込むには、伯母の、イズミ・リラの人生を知らなければ――。
現実を生きる自分、ユメとしての自分、伯母を探す自分。結芽の本当の冒険が、はじまった!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
118
突然死した存在を知らなかった叔母が、小さなころからの愛読書の作者だった、という設定。そのファンタジー世界と交差しつつ女子中学生が小説創作に目覚めていく。 静岡出身作家さん2026/02/20
よっち
33
急死した伯母の部屋で、愛読する児童書の原稿を見つけた中学生の本村結芽。心の拠り所だった物語が未完となってしまうことに葛藤する彼女の成長を描いた青春小説。伯母が孤独な小学校時代の拠り所だった作品の著者と知り、遺構を夢中で読む結芽。どうしても続きを読みたい結芽が、同じ作品を好きな友人とともに最終巻の執筆を決意する展開で、その最後のピースを埋める鍵を握る伯母の人生を知っていくことでもあり、同時に今の自分に向き合ってゆくことにも繋がっていて、苦悩しながらもやり遂げてみせた彼女の確かな成長を感じられる物語でしたね。2024/08/26
まる子
22
叔母が亡くなったらしい。死んで初めて知る存在の叔母は、中学生の結芽をさらに引き込ませる存在だったとはー。小学生の頃に好きだった物語『鍵開け師ユメ』シリーズ。その著者イズミ・リラ。叔母の蔵書から昔の自分が書いたファンレターが…なぜ?自殺とされていたその死に迫ると本当の姿が見えてきた。確かに精神状態は不安定だったかも知れない。でも、私がこの物語を継いで気付いたこともある。結芽が継ぐユメの最後は果たして…。途中の物語が多かったけれど、面白かった。児童書に書き換えても良さそう。2024/09/23
信兵衛
21
冒険は常に主人公たちを成長させるものですが、本好きに相応しい冒険であるところが、同じ本好きとして嬉しい。2024/09/07
コンチャン
14
会ったことのないおばさんが亡くなり、その遺品整理に向かった結芽は、そこで幼い頃自分が大好きな作家に出したファンレターを見つけたことから、おばさんが作家だったことをしります。 問題は、大好きなシリーズ作品が未完成であるということ。友人に支えられながら、その作品を完結させるべく奮闘するという内容です。 編集者の倉森さんが、終盤家出した結芽と偶然出会った際に交わされた言葉が真理すぎて、胸が熱くなりました。2024/09/23
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