四つの白昼夢

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四つの白昼夢

  • 著者名:篠田節子【著者】
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • 朝日新聞出版(2024/07発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022519566

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内容説明

コロナ禍がはじまり、終息に向かった。退職男たちの宴会と紙袋の骨壺、店の経営が破綻し夢中になった多肉植物、遺影に写った謎の手、自然通風の家で夫婦を悩ます音の正体とは? ふと目がくらんで見える、暮らしと隣り合わせ、現実と非現実の裂け目を描く日常奇譚集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

292
篠田 節子は、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、白昼夢的な連作短編集でした。 短編の割には、どの作品も読み応えがありますが、オススメは、『屋根裏の散歩者』&『妻をめとらば才たけて』です🐢🐢🐢 https://publications.asahi.com/product/24901.html2024/07/15

いつでも母さん

181
コロナ禍・・そこに私の意識が漂っていたかのような4話を面白く読んだ。篠田節子さんを読むのは長編が多かったが、このくらいのページ数でも圧巻の篠田節子を感じた(流石としか言えない)天井にいたまさかの正体にビックリ!の1話目。電車に置き忘れた骨壺から辿る持ち主の男の人生に言葉を飲み込んだのは2話目。不気味だったのは3話目の『多肉』こんな夫はイヤだな(汗)オチがちょっとだけほっこりしたラストの『遺影』自分の遺影は自分で用意しておきたいなぁ(そこ?)2024/08/15

Richard Thornburg

171
感想:★★★★  タイトルのとおり4篇の短篇で構成されています。  篠田節子センセの作品は無条件に追いかけて読んでいるんですが、前作は正直なところちょっと外した感があって本作ではどうなのかなと思っていると、落としどころや着地点の見えない意外な〆方や、ちょいとシニカルに時事ネタを語るところはまさに本領発揮といったところですかね。  個人的にこの著者らしいなと感じた作品は「屋根裏の散歩者」と「多肉」ですかね。  人間以外の生物を絡めた生物の先の見えない落としどころは面白いなと思いました。2024/09/11

タイ子

167
コロナ禍の真っただ中、終息に向かい始めた時、篠田さんが描くコロナ禍に生きた人たちの物語。全てが現実ではないどこか不思議な異世界の物語が面白い。乱歩の世界かと思いきや屋根裏を散歩する正体に思わずニヤリ。電車の中に置き忘れた遺骨。そこにあった夫婦の歴史とコロナに纏わる切ない物語。「多肉」が面白い。コロナ不況でレストランを閉店した男。家族に愛想を尽かされ1人になった男が珍しい多肉植物をお金をかけて育てた結果、男が見たものは…。「遺影」の義母は見た事のない笑顔の写真だった。一緒にいたのは誰?優しくて不思議な物語。2024/08/04

のぶ

167
コロナ禍が始まり、収束に向かった頃の日常とは少し離れた別世界を描いた四つの短編集。篠田さんらしい文体で繰り広げられていて、楽しむ事ができた。どの作品も死の空気を漂わせながらも、ユーモアが込められている独特のものだった。どの話も良かったが、個人的には「屋根裏の散歩者」と「多肉」がお気に入りです。介護を必要とする高齢の人物が出てくるものが多いが、介護を体験された篠田さんの実体験が反映されているのでしょう。色んな人の生き様を三者三様で楽しめて、最近の篠田さんの本では一番のお気に入りです。2024/07/22

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