平凡社ライブラリー<br> 我が見る魔もの - 稲垣足穂怪異小品集

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平凡社ライブラリー
我が見る魔もの - 稲垣足穂怪異小品集

  • 著者名:稲垣足穂/東雅夫
  • 価格 ¥1,881(本体¥1,710)
  • 平凡社(2024/07発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582769715

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内容説明

三島由紀夫を驚嘆させた少年愛文学の先駆者・足穂が遺した膨大な作品群から、怪奇幻想の名にふさわしい妖しい名作・怪作を精選!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

59
タルホというとまず宇宙的郷愁や少年愛、ファンタジーを思い浮かべ、怪談には縁遠い印象を受ける。本書はそんなタルホの著作の中から怪談を選び出した一冊。とはいえ冒頭の幽霊屋敷物を除いては純粋な怪談は少ない感じ。あとは当然のように稲生物怪録関連もあり、こちらは巻の半数近くを占めている。「懐かしの七月」も「~退散仕る」も、この愛の物語は好きで何度も読み返したが「荒譚」は初読なので収録されていてありがたい。あと幽霊屋敷での友人が発狂したというエピソード、この前読んだ衣巻省三「ポオの館」と共通しているのではなかろうか。2024/10/08

藤月はな(灯れ松明の火)

56
褌一丁で煙草を蒸かす足穂先生の腹に「稲生物怪録」の一説が描かれている表紙からしてもう、最高過ぎる。怪異と言ってもおどろおどろしいものではなく、不気味ながらもあっけらかんとしている。初めは幽霊らしく、不気味に恐ろしく、出たのに言っている言葉と出る条件から呆気に取られる「友人の実見譚」。幽霊となった理由を聞くと中々、悲劇的なのにこの条件下が恐怖を中和するという化学反応に正直、驚いています(笑)そして『稲生物怪録』シリーズは相変わらず、豪胆さ故に終盤に一番、苦手な蚯蚓を引き合わされてしまう平太郎少年に合掌2024/10/05

ハルト

7
読了:◎ 化け物譚と、ファンタジックなお話と、幻想文学的お話に、肝の座った稲生平太郎少年が合う怪異譚の、四種類の稲垣足穂が見られる。化け物譚てはおどろおどろしい怪談を。ファンタジックな作品では夢のような不可思議さを。幻想文学チックなお話では月の夜の霧に包まれた世界のような。稲生譚ではお化け版少年活劇のような愉しさがあった。足穂の見る世界を望遠鏡で覗き込んたかのような、怪奇の星々が光っていた。青空でなく夜空の似合う作品集だった。2024/10/12

ムーミンママ

5
SFに物怪譚 ファンタジーと幅広い。少し難しかったけど楽しめた。2024/12/10

迦陵頻之急

2
稲垣足穂の描く怪奇には情緒的なねちっこさがない。日常の軋轢と関わることなく、ひたすら別の天地に遊ぶ感がある。人によっては足穂をマイナー・ポエットと断じるだろうし、あるいはポップカルチャーと評価する人もいるだろう。その点で、「稲生物怪録」の、因果因縁とは全く無縁のあっけらかんとした怪異への共感は納得できる。江戸時代の記録を読んだ時の草双紙や絵巻のような感覚が、現代語で再話されると、まるでライダーに乗って次々にアトラクションを見るような感覚となる。2024/07/17

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