内容説明
闇カツ、パフェのエロさ、台所の妖怪、緊急事態宣言下のお取り寄せ…。ハンニバル・レクター博士に憧れ、炊飯器を擁護し、要らぬ助言に噛みつき、よく腹を下す。そんな偏屈でめんどくさい食いしん坊作家の自由な日常は、否応なくコロナ禍に侵食されていく。それでも――。あなたとわたしの欲望を肯定する、ひねくれものの力強い応援歌。「小説のイメージと違った」「美食家だと思っていたのに」などなど驚愕と共感の声がどしどし寄せられた食エッセイ! 人気イラストレーター・北澤平祐氏の挿画も多数収録!! ※イラストはモノクロです
目次
ふたたび「わるたべ」
悪党飯
闇カツ
よぼよぼ梅旅
台所の妖怪
セリ科がいい
苦い薬
またまた炊飯器
胃腸の敵
菓子争奪戦
「ただいま食事中。」
金針菜、こわい
すすれない
走馬灯パーティー飯
おいしい呪い
冬と羊
旨み爆弾
やんなった
パフェが一番エロい。
フリーダム・オブ・味噌汁
春の昼飯
移動飯
他人の和えたもの
歯がでる
告白します
またいつか、ジム飯
異世界への黒い扉
肝試し料理
日常と非日常
鼻で食う
愛のこじらせ
プールサイドのハンバーガー
あとかた姫
赤い纏
しつこくつきまとうもの
文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
64
千早茜さんの食のエッセイ第二弾。文庫新刊本が、こんなに面白かったのは久しぶりでした。第一弾より、文章にメリハリが出てきて、美食家として、国際人として、またある時は料理を作る千早茜さんの姿がそれぞれ浮かび上がってきて、作品としての出来ばえは、とてもよかったです。私も千早茜さんの真似をして彼女とのデートで初めて台湾茶を飲んだら、出費がかさんで、破産しそうになり、冷や冷やの危険な経験をしました。また、私は50代ですが、千早茜さんの幼少の経験が自分と重なる点で、私も、まだ若いと自信が持てた読書になりました。2024/05/27
えりまき
16
2025(182)シリーズ第2弾。コロナ禍でのわるたべ。「食べることには正直でいたかった。自立した大人として生きているのだから、食べることくらい自由にしたかったし、その意思が肯定される世の中であれ、と思ってはじめた連載だった。行きたくもない飲み会や形式だけの会食で食べたくないものを食べなくてもいいのだと書きつらねるつもりが、緊急事態宣言下になってみれば、それすら恋しくなる。」 2025/07/28
はるき
13
食に関するエッセイ第二弾。何でもよく食べるが食関連の記憶が薄い私からしたら、驚異の記憶力+想像力である。内容が好きより苦手に傾くのはつまり、嫌いのインパクトの強さゆえなのか?神経質というより、野生動物並みの危機管理意識を感じました。生きにくいようでいて、この方凄くサバイバル体質だと思うなぁ。 2025/07/06
meow3
12
作品からは伺いしれないほどの食へのこだわり! 健啖家というよりはかなりの食いしん坊という言い方の方が似合うかな。とはいえ、彼女らしい苦手な料理や食べ方もあったりしてそのギャップが楽しいエッセイ。旨味爆弾のセリフがよかったなあ、巷のグルメ番組で使用したい言葉だ。2025/07/08
あい
12
食べものを食べるときのシチュエーションも大事だと思う。学生時代から誰と一緒にお昼ご飯を食べるか問題にはしつこく付き纏われている。今でもそうだ。会社に行くだけでも疲れるのにもう放っておいて欲しいと思っていた。「飯の時ぐらい、自由にさせてほしい、なんて、なにをお願いしてしまっているのだ。人が勝手に決めた区切りにふりまわされなくていい。」この文章にハッとさせられたし、この文章に出会えて良かったと思った。2024/09/23
-
- 電子書籍
- 美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~…
-
- 電子書籍
- ドローイング 最強漫画家はお絵描きスキ…
-
- 電子書籍
- 劣等生と七つの名剣【タテヨミ】第77話…
-
- 電子書籍
- 最愛の夫の急死!~遺された妻と息子の奮…
-
- 電子書籍
- それからの武蔵 〈2〉 集英社文庫