光文社新書<br> 日本の古代とは何か~最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像~

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光文社新書
日本の古代とは何か~最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像~

  • ISBN:9784334103774

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内容説明

注目の研究者たちが、奈良時代と平安時代を並列させ比較しながら、最新の研究成果から浮かび上がってきたこの時代の実像を一般向けに伝える。国家のどこに権力があったのか、地方支配は誰がどうしていたのか、唐風文化から国風文化へという流れは本当か? 受領は本当に悪吏だったのか? 藤原道長が摂政だったのは1年だけ?――等々、これまでの一般的理解へのアンチテーゼを織り交ぜながら、新しい歴史像・国家像を打ち立てる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽんすけ

17
通史ということで、現在に至るまでの古代研究の歴史がざっとわかる。又最新の研究についても触れられているので、自分が学生時代に習ったことと結構変わってるんだなぁというのがわかった。面白かったのは「受領」と「郡司」の話かな。尾張国郡司百姓等解と「受領は倒るる所に土を掴め」で受領=強欲で地方の人を虐げる悪人のイメージが強いけど、最近では摂関期の地方行政システムを在地の有力者と協力しながら作り上げた有能な者が多かったことがわかった。研究者達の地道な積み上げが歴史の理解の深化に繋がることがよくわかる一冊2025/03/10

bapaksejahtera

13
我が国が中華文明を取入れて後、国風文化なる物が生まれる迄の黎明期について、若手研究者が自説を交えつつ最近の研究成果を披露する。①奈良時代の国家権力は誰の手にあったのか②藤原氏は権力者だったのか③地方支配と郡司④変貌する国司⑤唐風文化から国風文化へは成り立つのか。前後に前書きと座談会を配する。通説として我らの常識にある事柄の変化が、優秀な若手研究者の、それ故に忌憚のない記述によって詳説される。特に①シナと異なる女院等我が国権力の特異性、③地方支配における郡司の重要性④受領と任用国司による地方行政等興味深い。2025/04/09

みのくま

10
本書は若い世代の研究者による古代日本の最新研究の紹介であり、かなりわかりやすく解説されている良書。奈良時代から平安時代において律令国家がどのように運営されてきたかを天皇、郡司、国司、文化の観点から解説されている。どれも教科書的な内容からかなり進んだ研究が為されており、知識のアップデートの必要を感じる。天皇権力の構造や地方支配のあり方など、通説で語られる内容がいかに単純化され物語化されていたかを痛感する。他方で、そのような複雑性による物語の解体が現代日本にどのような受け止め方をされるのかは注視すべきだろう。2025/07/13

coldsurgeon

9
日本の古代、奈良時代から平安時代までの、政治制度、中央と地方の統治の問題、そして唐風文化から国風文化について、最新の研究と若手精鋭の学説展開が読めた。歴史的事実がさらに明らかにされ、以前に考えられていたものと異なる歴史観を提示してくれた。古代とは、あるべき理想や理念tにこだわり続けた時代とは、うまく表現したものだ。2024/12/12

かんがく

8
若手研究者による古代史概略と座談会。学説整理と論点確認には良い。2025/05/19

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