民族という政治 - ベトナム民族分類の歴史と現在

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民族という政治 - ベトナム民族分類の歴史と現在

  • 著者名:伊藤正子
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  • 三元社(2024/07発売)
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  • ISBN:9784883032341

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内容説明

ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。
ベトナムの54「国定民族」は、いかにして確定されたのか。ドイモイ以降の「自由化」により、これまでの民族の枠組みを見直し「新たな民族」を要求する声があがりはじめた。ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。多民族国家における上からの民族政策のはらむ危うさを明らかにしていく。

[目次]

序論 13
     第1節 本書の目的 14
     第2節 本書の構成 17
     第3節 研究手法 20
     第4節 先行研究 25
     第5節 ベトナム少数民族概観 30
 第1章 ベトナム民主共和国における民族確定作業 35
     第1節 ベトナム民族学の誕生 36
     第2節 中国の民族識別作業 40
     第3節 ベトナム民主共和国における民族確定作業 51
 第2章 ドイモイ下の少数民族援助・優遇政策 77
     第1節 1989年の共産党政治局22号決議とその背景 78
     第2節 「135プログラム」の目的と対象 80
     第3節 「135プログラム」の結果 84
     第4節 「135プログラム」の課題 91
     第5節 「135プログラム」第2フェーズ 95
 第3章 21世紀の民族確定見直し作業 97
     第1節 1999年の国勢調査とサブグループからの不満の噴出 98
     第2節 声をあげたサブグループ(1)カオランとサンチー 99
     第3節 声をあげたサブグループ(2)グオン 124
     第4節 総括セミナーと国定民族成分リストの行方 150
     第5節 声が届かないサブグループ 153
 第4章 利用される「極少少数民族」オドゥ族 199
     第1節 オドゥ族の居住状況 200
     第2節 来歴をめぐる伝説 202
     第3節 創られた「自称」 205
     第4節 民族混淆状況と言語 207
     第5節 オドゥ族の分類の歴史-“絶滅”の危機?- 211
     第6節 激増する「オドゥ族」 214
     第7節 降ってわいたダム建設 216
     第8節 民族別「優先」移住と家族の離散-本当の危機- 218
     第9節 オドゥ族への特別のプログラムとトゥオンズオン県の思惑 231
     第10節 移住先でのオドゥ族と新たな民族間対立 236
 結論 権益としての民族――国家・地方政府・当人たち 247

資料 263
 [地図9]ベトナム全国の主な省名・省中心地名
 [地図10]ベトナムの地方区分
 [表21]国勢調査によるベトナムの国定民族別人口変動(1979, 1989, 1999)
 [表22]1960年3月1日北部民族別人口
 [表23]1974年4月1日北部民族別人口
 「135プログラム」原文 政府首相の決定(135号/1998/QD-TTG 1998年7月31日)

参考文献・インタビュー一覧 279
あとがき 294
人名・事項索引 299

目次

序論 13
     第1節 本書の目的 14
     第2節 本書の構成 17
     第3節 研究手法 20
     第4節 先行研究 25
     第5節 ベトナム少数民族概観 30
 第1章 ベトナム民主共和国における民族確定作業 35
     第1節 ベトナム民族学の誕生 36
     第2節 中国の民族識別作業 40
     第3節 ベトナム民主共和国における民族確定作業 51
 第2章 ドイモイ下の少数民族援助・優遇政策 77
     第1節 1989年の共産党政治局22号決議とその背景 78
     第2節 「135プログラム」の目的と対象 80
     第3節 「135プログラム」の結果 84
     第4節 「135プログラム」の課題 91
     第5節 「135プログラム」第2フェーズ 95
 第3章 21世紀の民族確定見直し作業 97
     第1節 1999年の国勢調査とサブグループからの不満の噴出 98
     第2節 声をあげたサブグループ(1)カオランとサンチー 99
     第3節 声をあげたサブグループ(2)グオン 124
     第4節 総括セミナーと国定民族成分リストの行方 150
     第5節 声が届かないサブグループ 153
 第4章 利用される「極少少数民族」オドゥ族 199
     第1節 オドゥ族の居住状況 200
     第2節 来歴をめぐる伝説 202
     第3節 創られた「自称」 205
     第4節 民族混淆状況と言語 207
     第5節 オドゥ族の分類の歴史-“絶滅”の危機?- 211
     第6節 激増する「オドゥ族」 214
     第7節 降ってわいたダム建設 216
     第8節 民族別「優先」移住と家族の離散-本当の危機- 218
     第9節 オドゥ族への特別のプログラムとトゥオンズオン県の思惑 231
     第10節 移住先でのオドゥ族と新たな民族間対立 236
 結論 権益としての民族――国家・地方政府・当人たち 247

資料 263
 [地図9]ベトナム全国の主な省名・省中心地名
 [地図10]ベトナムの地方区分
 [表21]国勢調査によるベトナムの国定民族別人口変動(1979, 1989, 1999)
 [表22]1960年3月1日北部民族別人口
 [表23]1974年4月1日北部民族別人口
 「135プログラム」原文 政府首相の決定(135号/1998/QD-TTG 1998年7月31日)

参考文献・インタビュー一覧 279
あとがき 294
人名・事項索引 299

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ishida Satoshi

0
読了。出張先で読み終えた。ベトナムには現在公式に54の少数民族がいるとされています。では人々がどの「民族」であるかを誰が判断したのか?本書は50年代以降、冷戦下の国際社会において少数派民族のアイデンティティ社会主義国家ベトナムの一国民として民族意識を持たせるため展開される「上からの民族確定作業」を丹念な調査によって明らかにしていきます。社会主義の「兄」的存在といえる中国による民族識別政策の影響、多数派キン族への帰属に抵抗する少数派への対応、ドイモイ以降市場自由化に伴う変化、中央政府と地方の認識の差異など、

samandabadra

0
民族政策に関する記述に関して 特に類型と例示の仕方を学んだ本。 (某先生のソ連・ロシアの言語と政治とはえらい違い) 出版直前の事柄に関してまでフォローされていて 情報・知識を得ようとする執念みたいなものに 頭が下がる。 ただし、ベトナムの民族政策は 中国を模範とした、という考察は 社会主義圏の民族政策を勉強してきたものとしては ?がいっぱいつく。 2009/04/13

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