それは私がしたことなのか - 行為の哲学入門

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それは私がしたことなのか - 行為の哲学入門

  • 著者名:古田徹也【著】
  • 価格 ¥2,112(本体¥1,920)
  • 新曜社(2024/07発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784788513440

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内容説明

倫理的思考の故郷へ

正しい行為とは何かを問う哲学書では以下のような極限的事例が議論されます。「列車が暴走し線路上に立つ5人を轢かんとしている。ただし、眼前のレバーを引けば列車は1人しか轢かない別の線路へと入る。引くべきか否か、その選択はどんな理論で正当化されるのか……」。しかし、ジレンマに陥った中での苦渋の選択というものから、倫理について多くを学べるのでしょうか。我々の目指すものは、こうした状況で躊躇せず正しい行為を選び取れる、ということではないのではないでしょうか。筆者は、我々の理解から乖離しない倫理の解明に向けて、自由意志の有無、意図と行為の関係、さらには義務や責任と運との関係といった「行為」の深い謎へと切りこみます。ままならぬ世界で不完全な道徳行為者として生きる人間の核心に迫る哲学入門書。

【著者】
古田 徹也
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部 倫理学研究室 准教授、放送大学 客員准教授。

目次

はじめに
第1章 行為の意図をめぐる謎
1―1 「手をあげる」―「手があがる」=?
1―2 出来事を引き起こす心の働きとは何か
1―3 意図をめぐる問題―そもそも意図とは何か
1―4 機械の中の幽霊―ライルによる物心二元論批判
1―5 機械の―「心→脳」と巻
1―6 決定論を支持するかに見えたる一科学的な知見の検討
コラム・ 心身問題の行方

第2章 意図的行為の解明
2―1 意図と信念の諸特徴
2―2 心をめぐる「一人称権威」は何を意味するのか
2―3 心の「隠蔽説」を超えて
2―4 行為の理由と原因
2―5 心は身体の中には存在しない
2―6 意図せざる行為の存在
コラム・ 現代の英語圏の行為論の流れ

第3章 行為の全体像の解明
3―1 意図性の薄い行為―やむをえない行為、他人からの強制に従う行為
3―2 意図せざる行為・―「悪質な過失」について
3―3 意図せざる行為・―「純然たる過失」について
3―4 意図せざる行為・―悲劇と行為者性
3―5 意図せざる行為の全体像
3―6 行為の全体像
コラム・ 共同行為について

エピローグ 非体系的な倫理学へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ルル

15
物事を自分で考える、ということを改めて考えさせられた。人の頭やグーグル先生に頼らず、まず自分の頭を使う!これを今からやります(*^^*)2018/12/19

月をみるもの

10
ヒトが見ている世界を物語として捉える時、対象が「主体」ならばそれは「意図」を持ち、「客体」ならばそれは「因果」関係に従うと考える。どちらにおいても、「もし**だったら、〇〇だったであろう」という反実仮想を行える想像力がベースにある。2020/03/01

ミズグ

7
読みやすいのでなんとか最後まで読めた。 結論としては哲学を経ないでもごく当たりまえの結論とも言える。僕と妻の行為は大体一致するのだが、僕の行為は様々に迂回し妻と一致する。 その迂回路がこの本だと思う。2021/09/27

shouyi.

6
「手を上げる」一「手が上がる」=?というウィトゲンシュタインの問いから始まるこの本は、道徳と倫理の違いへと至るエピローグまで哲学の基本とおもしろさと深さを堪能できる一冊となっている。こんなにドキドキしながら読み終える感動を久しぶりに味わえたことを感謝したい。2019/12/17

すずき

6
デカルトやウィトゲンシュタインに少しだけ触れながら、意図的行為と意図せざる行為を焦点に現代行為論の議論を平易に説く本。最終的に意図せざる行為の観点から、倫理学における運の議論へシフトしていく。よくある古典の読了を暗に前提する「入門」ではなく、ここから手を伸ばしていける真性の入門書2019/11/11

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