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内容説明
塩味、甘味、酸味、苦味に続く第五の味覚「うま味」は日本で発見された。かつお節や昆布のうま味を抽出した「だし」をとるのは和食の伝統とされ、今や「UMAMI」は世界共通言語になっている。しかし、うま味の発見者が開発した「味の素」は、なぜ国民から敬遠されたのか? 食糧難から高度成長、バブル崩壊、格差の拡大へ――。世相とともに日本人の味の嗜好も揺れ動いてきた。基本五味に辛味、脂肪味を加えた味覚の変遷をたどれば、新たな「戦後ニッポン」が見えてくる!
目次
第一章【うま味】「味の素」論争と「だし」神話
第二章【塩味】「自然塩」幻想と「減塩」圧力
第三章【甘味】甘くておいしい、甘くなくておいしい
第四章【酸味】酢に忍び寄るフードファディズム
第五章【苦味】日本のビールとコーヒーは「大人の味」か
第六章【辛味】引いては熱くなる激辛ブーム
第七章【脂肪味】「体にいい油・悪い油」の迷宮
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
niisun
34
基本の5味(うま味、塩味、甘味、酸味、苦味)+ 辛味&脂肪味の日本における変遷。といっても主に戦中戦後、経済成長期、バブル崩壊後を中心に論じられています。あらゆる味覚に共通するのは、身体への効能に関する研究成果とそれに載っかる商戦に振り回される市井の人々。世の中には、原理主義的な人がたくさんいるもので、私の身近にもマクロビ礼賛の人がいますが、“まあ、勝手にやってくれ”という感じ。自然が善で人工が悪とか、バターが善でマーガリンが悪など、もはやコメディの様相。食も“清濁併せ呑む”広い心持ちが必要かと。。。2024/05/20
よっち
34
味覚の変遷をたどれば新たな「戦後ニッポン」が見えてくる。基本五味に辛味、第六の味覚と目される脂肪味を加えた7つの味から読み解く異色の戦後史。レシピから消えた化学調味料とSNSで蘇った味の素、専売になっていた塩の「天然塩」「化学塩」論争と減塩圧力、甘さ控えめへの転換とゼロカロリーへ、欠かせないのに敬遠される酸味、苦くなるチョコレートやビール、引いては熱くなる激辛ブーム、油を食べようから控えようへの転換など、戦後の世相の変化とともに日本人の味の流行り廃りだったり、嗜好も変わっていたのが伺えて興味深かったです。2024/04/26
ちさと
25
本書は、1908年日本で発見されたうま味、生命維持と深く結びついている塩味、生理的に好ましい味である甘み、それから酸味と苦味の基本五味に加えて、味わいに興を加える辛味と第六の味覚として最有力候補である脂肪味の順に、味覚の変遷を確認するもの。戦後の食糧難からあらゆる物が代用品になり日本人の味覚は一旦リセットされ、そこから高度経済成長を迎え冷蔵庫の普及があり、飽食の時代である今、一億総グルメと言われる。「ユネスコ無形文化遺産に日本の文化食として登録された一汁三菜は伝統とは言えない」とか、言われてみれば確かに。2025/06/25
ようはん
21
塩味、甘味等の各味から見た戦後日本の食文化史。レモン=ビタミンCの象徴イメージは強いがビタミン含有量はそこまでなく、そのイメージがついた考察やコーヒーはかつての砂糖ミルク主体が次第にブラック派が半数近くを占めていくデータと興味深い話が多い。 2024/10/21
もえたく
21
うま味、塩味、甘味、酸味、苦味、辛味、そして新たな味覚として最有力候補の脂肪味。この七つの味覚を食糧難から高度経済成長、バブル崩壊、格差拡大の現代までの変遷をたどって解き明かす意欲的な新書。国会図書館のデータからの分析されているため文献からの引用が多く切り貼り感はあるが、ダイエットの変遷とも絡んでいるようで楽しまさせてもらいました。酸味で「酢大豆で痩せた瀬川瑛子」、苦味で「楠田枝里子のチョコレート・ダイエット」など懐かしい。2024/08/02
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