陸と海 世界史的な考察

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陸と海 世界史的な考察

  • ISBN:9784822255800

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内容説明

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●最近の緊迫する世界情勢を反映して再び脚光を浴びている地政学の古典。
●世界史の進路を「陸の国」(ビヒモス)と「海の国」(リヴァイアサン)の戦いの歴史として考察。
●著者はナチスとの関係も深かった20世紀を代表する保守主義の理論家・思想家。友敵理論、決断主義で有名。一時、ナチスを擁護したが、後に離れる。戦後、逮捕されてニュルンベルク裁判にかけられたが、不起訴。

 15-16世紀から18世紀にかけて「空間革命」が起きた。大航海時代の経験を通じて人間は陸中心の世界観から、海を中心とする新たな世界観を獲得した。いち早く海に目覚めたイギリスは、海という新しい空間に「自由貿易」という新しいルールを設定し、ヘゲモニーを確立した。国家的な領土権によって分割されている陸とは違い、海はどの国家にも属しておらず、イギリスはそこに自由貿易のルールを設定して管理することで、海洋を我が物にした。その結果、領土主権にもとづく国際法にかわって新たな国際法が準備された――。
 ヴェネチア共和国、オランダ、英国、アメリカの<海の国>の系譜に連なる海洋国家である我が国にとって、長らく<陸の国>であったお隣の中国が海洋に進出する勢いを見せているなか、これからの進路を考える際にシュミット地政学は示唆に富む古典と言える。

目次

陸と海への一瞥
エレメントとは何か?
海と対立する陸
沿岸から大洋へ
鯨と捕鯨者を称えて
オールで漕ぐ船から帆船へ
海賊たちと“海の泡の子”たち
キリグルー夫人の物語
大洋におけるヨーロッパの遺産を受け継いだイギリス
空間革命とは?〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

33
「人間というのは、大地に生きる存在だよね。」冒頭の一文が語り掛けになっており、かなり耳目を惹きます。本書の着想は、根拠が弱いがスケールの大きな直観によって支えられています。第2章の元素(理系)と原素(文系)の違いという説明から、それらの着想は陸のエレメント(原素)、海のエレメントとして語られます。著者の主張はいつも明確で論旨も分かり易いのに驚かされますが、本書に限っては文字が大きい上に、わずか260ページを扉の付いた20章のエレメントに分けて、論文というよりもむしろ批評的な文章を楽しんで書いているようにみ2018/08/23

さえきかずひこ

17
1942年に刊行された本書は著者が愛娘のために書いたこともあり、文体が明晰で読みやすい。ヨーロッパ史を陸からの視点と海からの視点を通じて読み解いていく一冊で、後半は海を制すことで世界を制した英国の特長とその産業革命について大きくページが割かれている。第10章以降は"空間革命"というシュミット独自の概念を用いて、世界史を分析し、第20章ではこの革命が陸、海から空へと続き世界を変えていくことを予感させて結ぶ。実際には"空"から"宇宙"にまで"空間革命"は続いてゆくのだが時代的制約からかそこまでは書いていない。2018/11/02

masabi

13
【概要】陸と海のエレメントが世界史をどう動かしてきたかを解説する。【感想】大陸国家と海洋国家という地政学的枠組みに筆者独自の空間革命を結び付け、空間認識の転換が世界史の動的エネルギーになった、とする。陸上国家であるドイツが海を克服し、空のエレメントを制するにはどうするのか、という地政学的文脈以上に空間認識の拡張が世界全体に様々な影響を与えた点が興味深かった。機械に覆われた現代ではシュミットの想定するエレメントのロマンはないのだろうが。 2020/12/24

みのくま

10
シュミットのいう「空間革命」は、地政学や政治学に留まらず人間の無意識下における認知の問題を扱っており、非常に興味深い。「新大陸発見」によって国家を構成するエレメントが陸から海へと移行する。陸のエレメントは大地に定住している素朴な民の集団(諸侯)だが、海のエレメントは常に遊動し冒険的で啓蒙された民の集団であるとする。そしてこの海のエレメントを持つイギリスが帝国を創り世界支配を確立した。シュミットは地球が球体だと知る事で人間そのものが変わり次いで歴史が動くと主張する。そして第三のエレメント「空」が革命を起こす2019/08/13

dexter4620

3
地政学というより歴史書という印象の一冊。平易な言葉で陸のエレメント、海のエレメントについて解説。この後ドイツは戦争に入るわけだが、奇しくも本書で解説されない空のエレメントがその後重要になっていくのであった。2023/03/09

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