内容説明
◎知られざる「平安京以前の京都」に迫り、ディープな視点で京都の神社と歴史の深層を探るユニークな歴史本が登場!
京都というと、遷都後の平安時代以降の仏教・寺院というイメージが強いかもしれない。だが、じつは遷都前からの神社も多く、これらは平安時代以降のイメージに隠されてきた。意外にも、京都市周縁部には、平安京成立以前から祀られていた古社が多い。
また、2つの賀茂神社は京都の地主神ともいえる古社だが、伝承によれば、その祭神は大和(奈良県)から木津川・賀茂川に沿って漸次山城(京都)方面に移ってきたことになっており、面白いことにそのルート上には賀茂神を祀る古社が点在している。さらに、京都は秦氏をはじめ渡来人が早くから進出していた地でもあり、それに関係した神社が多い。
本書では、これらの京都の古社に焦点をあて、その隠された魅力とともに、知られざる平安京以前の歴史的経緯を掘り下げ、豊富な写真とともに京都の深層に迫っていく。
[目次]
第1章 京都の地主神をめぐる
第2章 賀茂神の軌跡をたどる
第3章 古都を育んだ渡来人の信仰
第4章 神話・伝説の舞台を訪ねる
この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『京都古社に隠された歴史の謎 知られざる古都の原像と信仰』(2024年6月20日 第1刷)に基づいて制作されました。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わ!
6
面白い神社の本です!少しマニアックな神社紹介本とも言えます(「マニアックな神社」ではなく、「マニアックな本」の意味です)。「加茂氏の神社として説明する、下鴨・上賀茂神社」や、「秦氏神社として説明する伏見稲荷や松尾大社」が載っています。中には「え!あの神社って、こんな逸話があったりするの?」と驚くような神社も多く、中には「そんな神社は知らない…」というとような神社もあるのですが、それだけに、そんな神社を解説してくれている本自体がレアであって、そのぶん嬉しい一冊と言えると思います。2024/07/12
☆ひとこぶラクダちゃん☆
4
こちらで紹介されている京都古社は、古事記の神様が大勢出てきます。古事記の神様にお会いしたいですし、創建当時の神社がどんな感じだったのか、見てみたいです。本の最後に、浦嶋子伝説が書かれています。日本書紀や万葉集にも書かれているとのことで、興味が湧きますね。2024/09/03
Yoshihiro Yamamoto
2
A- 「泣くよ坊さん平安遷都」で都が京都に移った。平安京の中には東寺と西寺以外に寺を建てることや墓をつくることは禁じられた。こんな歴史を習ったので、平安京が開かれた地域は「原野で何もなかったところ」という印象を持っていた。しかし、京都に入り浸るようになると、渡来系の秦氏や賀茂氏がここに住んでおり、桓武天皇に働きかけて遷都を実現したということが分かってきた。すると、平安遷都以前の京都のことが知りたくなり、京都の古層を形成してきた「古社」に俄然興味が湧いてきた。すでに訪れた神社も含めて情報満載で参考になった。2025/05/12
Humbaba
1
京都には数多の名所がある。そのような有名な場所がある一方で、歴史はあってもそこまで多くは知られていない場所というのも存在している。古くからずっと大切な場所であり続けてきたからこそ、積み重ねられたものがある。それも歴史の流れの中で忘れ去られたり、注目を失ったりしてきた。しかし、注目を失ったとしてもその価値がなくなるという訳ではない。2024/12/12