近代天皇制と伝統文化 - その再構築と創造

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近代天皇制と伝統文化 - その再構築と創造

  • 著者名:高木博志
  • 価格 ¥3,410(本体¥3,100)
  • 岩波書店(2024/06発売)
  • ポイント 31pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000616355

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内容説明

一九世紀における君主制の一つとして近代国民国家とともに成立した近代天皇制は,前近代以来の文化を再構築し創造した日本固有の「伝統文化」を不可欠とした――国民国家論や構築主義をふまえた天皇制研究をリードしてきた著者が,その変容や社会への定着の過程を辿りながら,現在にまで続く近代天皇制の全体像を描き出す.

目次

序 論
第Ⅰ部 天皇制
第1章 伝統文化の再構築と創造
はじめに
一 陵墓――「万世一系」の視覚化
二 御物と文化財――秘匿性と公開性
三 皇室儀礼――互換性(普遍性)と固有性
四 京都御苑と皇居――古都と帝都
むすびにかえて――京都生まれの明治皇室の世代論
第2章 近代皇室の仏教信仰
はじめに
一 近世の泉涌寺
二 明治前期の泉涌寺
三 一八九五年,泉涌寺における明宮皇太子の病気平癒御修法
四 英照皇太后・晃親王の仏式葬儀
むすびにかえて
第Ⅱ部 歴史意識
第3章 奈良女高師の修学旅行
はじめに
一 修学旅行の展開
二 奈良女子高等師範学校の修学旅行
三 修学旅行で何を学んだか
むすび
第4章 「郷土愛」と「愛国心」をつなぐもの
はじめに
一 「郷土愛」と「愛国心」をつなぐもの
二 紀念祭の時代
おわりに
第5章 桜の近代
はじめに
一 日本における桜の地域的展開
二 史蹟名勝天然紀念物としての桜
三 植民地・朝鮮の桜
まとめ
第Ⅲ部 文化財
第6章 二〇世紀の文化財保護と伝統文化
はじめに
一 第一次世界大戦前後の史跡・名勝
二 黒板勝美と文化財保護
三 天皇制と文化財
四 日本的な文化財の発現
五 国立公園の登場
おわりに
第7章 現地保存の歴史と課題
はじめに
一 文化財返還をめぐる世界の動向
二 近代日本の文化財の移動
三 現地保存と文化財保護
むすび
補 論 近代天皇制と「史実と神話」

あとがき
事項リスト/人名リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よしたけ

48
近代の文官たちが腐心して如何に天皇家に正当性を持たせるべく文化を形作ってきたかを解説。近代天皇制とはあるが、著者の言う万世一系に係る疑問や天皇家の成りたちにも触れてほしかった。著者は、天皇家が生まれながらに貴種であり、生まれながらに平等で人権が尊重される民主主義の原理とは矛盾する非合理な制度のため、血統の正統性や世襲を担保するために、非合理な神話や「万世一系」の陵墓の体系を必要とするという立場。明治初期に廃仏毀釈を行ったとはいえ多くの宮家で真言宗への信仰が見られた、という事実は興味深かった。2024/10/18

takao

2
ふむ2024/09/12

URI(病気養生

0
いわゆる「作られた伝統」の本 総論がなく各論ばかりでものたりない2024/06/02

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