内容説明
義母の認知症が八年前に始まり、義父も五年前に脳梗塞で倒れた。結婚以来そりが合わなかった姑と舅だが、「私がやらなければ!」と一念発起。仕事と家事を抱えながら、義父母のケアに奔走する日々が始まった――。しかし、急速に進行する認知症、介護サービスを拒絶する義父に翻弄され、やがて体力と気力は限界に。介護は妻の義務なのか? 夫の出番は? 最初の一歩から悪徳業者との闘いまで、超リアルな介護奮闘記!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よつば🍀
40
一冊丸ごと介護の話なので面白いと言うと語弊があるが、とても面白かった。過去、壮絶な人生を送って来た村井さん。今度は義父母の介護をする事になろうとは。仕事と家事に義父母の介護まで加わって大変な事は想像に難くない。ポジティブだけど認知症の義母、とにかく暗い義父。病院の送迎からケアマネさんとの介護計画、話が噛み合わない義父母。時間は削られ今にも風船が大爆発しそうな状況下で奮闘する村井さんだが、どこか俯瞰的に捉えていて笑い話に変換する所はさすが。介護は嫁の義務じゃない。「実の子がイニシアチブを取る」に大いに共感。2024/08/26
kayo
25
介護の師と仰ぎたい。他の著作で既読の強烈な義母の認知症の話は現在進行形だった。越えても越えても終わらない介護クエストに、嫁の立場でよくぞここまで関わっていらっしゃる。村井さんご自身の体力と精神力もギリギリだ。近い将来義母の介護が私にも待っているが、村井さんのようにこなせるとは到底思えない。だが、全てを把握して記録してゆきたい一心でありったけのエネルギーを注いで義父母の介護に向かっている村井さんに私も追随したいとちょっとだけ思い直した。もちろん主の担当者は実の子(夫と夫の弟妹)に頼むよ。2024/09/03
LUNE MER
15
語弊を恐れずに言えばとても「面白い」ドキュメントである。著者が義父母介護に立ち向かうモチベーションのひとつにも繋がるのだが、読者の立場で彼女の体験談を読みながら衝撃、怒り、恐怖などの様々な感情を追体験し、その体験から学ぶべきものは学び取り、本書を大いに堪能することでほんの僅かだが彼女の意に応えられたのではないかと思う。それにしても、「お菓子を持ってきてくれた女の人、ずっと家から帰ろうとしないの」という義母の発言は症状なのか実は本当にホラーなのか区別つかなくて本気で恐怖だよこれは…2024/08/26
みやこ
14
翻訳家・村井理子さんの義父母を介護する日々を綴ったエッセイ。ウェブマガジンで配信されたエピソードが一冊にまとめられたものだが、泣いたり笑ったり憤ったりしつつ読んだ。 夫にたしなめられながら祝った義母の誕生日の翌日、買い物に向かう車の中で、自分の親とも食事会をしたかったと涙する場面では、やはりもらい泣きしてしまった。 理子さんが書いてくれることが、ともに介護する人たちの力になるだろう。少なくとも私は大いに元気をもらった。2024/07/21
おさと
10
面白く読んでしまったけれど、実際自分の身にこれが起きたら…と思うと、わたしゃ無理や…。ケアマネさんもすごい…尊敬。2024/09/09