内容説明
「魔法の鼻を持つ犬」とともに教え子の秘密を探る理科教師。「死んでくれない?」鳥がしゃべった言葉の謎を解く高校生。定年を迎えた英語教師だけが知る、少女を殺害した真犯人。殺した恋人の遺体を消し去ってくれた、正体不明の侵入者。ターミナルケアを通じて、生まれて初めて奇跡を見た看護師。殺人事件の真実を掴むべく、ペット探偵を尾行する女性刑事。全六章を読む順番で、世界が変わる。あなた自身がつくる720通りの物語。すべての始まりは何だったのか? 結末はいったいどこにあるのか?――道尾秀介が「一冊の本」の概念を変える!
目次
名のない毒液と花
落ちない魔球と鳥
笑わない少女の死
飛べない雄蜂の嘘
消えない硝子の星
眠らない刑事と犬
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
284
6!。知らない前には戻れないのよ。道尾さんに依る、実験的な6つの短篇。全ての話を、別の話も知らないまま先ずは読めたら良いのにね。そしてその後、それぞれの短篇を読み返す事が出来たらな〜。登場人物、エピソードが別話に潜り込んでいる事は想像に難く無い。前半は謎のエピソードを残すままですが、読み進めるうちに「あの人か」とか「ここに繋がるのか」とかが見えてくるのね。ただ毒が薬になったり、またはその逆等、ストーリーが反転する迄は無い様に思ったけど、印象変わるのでしょうか。あと719回読むし。【犬→花→死→星→嘘→鳥】2024/06/28
ピース
105
6章からなる物語だが順番はどこから始めてもいいというこれまで聞いたことのないアイデアだった。とりあえず最初から順番に読んだけど確かに順番が違えば印象は変わった。それでも内容が分からなくなるということがないというのは驚いた。アイルランドの話が印象に残った。2024/08/08
竹ピコ
97
ちょっと凝った趣向の連作短編集。最初から順番通りに読んでみました。それぞれ時代も違う物語だけど、微妙に登場人物に重なりがあって、他の物語で見えなかったものが見えてくる感じ。何か切なく重い話も多いけど、一方で安堵する部分もあったり不思議な物語。光、花、蝶、何か以前読んだ道雄作品を思い浮かべていたが、解説を見て納得。面白かったです。これから読む方には、是非登場人物を書き出して読んだほうがより分かりやすいように思えた。2024/06/30
セシルの夕陽
73
やっぱり天才⭐️ 素晴らしい⭐️ 6話どの章から読み始めるか、読者が決める。読む順番で見える景色と味わいや謎が変わるという本書。あまのじゃく気味の私はもちろん最初からは読まなかった。全て共通ポイントは、①『つ』の字に似た湾の港町・②雲の隙間から海に射す『天使のはしご』が5つ光の花を作る・③9月のシルバーウィーク。喪失感と、美しい文章と、読者なりの結末。再読は時系列順で読んでみようかと。【花シリーズ3】2024/07/20
mazda
51
う~ん、結局よくわからず…。2024/10/04