内容説明
【影響を受ける側からの問題提起】
台頭した中国はどのように影響力(パワー)を行使しているのか、インド太平洋の国や地域はどのように認識し、対応しているのか――。現地調査の結果なども踏まえて、影響力拡大をめぐる地域内の葛藤を分析。
インド太平洋地域に対する中国の政治的影響力は、冷戦期においては限定的であった。しかし改革開放以後、経済的影響力が急速に拡大し周辺諸国に深く浸透したが、問題はそれが政治的影響力に転嫁するかである。その解明には受け手側の地域研究が必須である。
本書は、受け手側であるインド太平洋の地域と国家が、中国からの影響を具体的にどのように受容し、思考し、対応しているのかを分析することで、中国の影響力(パワー)の実像に迫る。
目次
【本書の構成】
序 章 インド太平洋地域における中国の影響力――地政学の歴史と現状(國分良成)
第1章 東南アジアで強まる中国の経済的影響力――習政権10年間の影響力調査(富山篤)
第2章 対外的影響力を模索する中国外交――プロトタイプとしての東南アジア(山口信治)
第3章 フィリピンにおける「中国ファクター」――高まる嫌中感情とその背景(粕谷祐子)
第4章 重層的なタイ・中国ネットワーク――冷戦期から現在までの変容(外山文子)
第5章 ジョコ政権下のインドネシア・中国関係(相澤伸広)
第6章 ベトナムにおける中国ファクター――「最優先の2国間関係」の二面性(石塚二葉)
第7章 台湾で薄れる中国「経済カード」の効力――曲がり角の統一工作(山田周平)
第8章 対中関係の調整に動く朝鮮半島――ポスト「冷戦後」の韓国・北朝鮮外交(伊集院敦)
第9章 グローバルサウスの盟主目指すインド――全方位外交と対中政策の見直し(山田剛)
第10章 日中の外交文化――「不平等条約」改正交渉の比較から(五百旗頭薫)
感想・レビュー
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榊原 香織
のっち
蛮族