内容説明
与党議員の政治的スキャンダルを立て続けに暴き、「国会のトマホーク」の異名を持つ衆議院議員・荒岩光輝に憧れた真野正司は、荒岩の私設秘書となる。ある日、地元選挙区に向かう新幹線の喫煙室で、荒岩が若い男とともに死亡。荒岩はロシア諜報機関に協力して情報を集めていたが、ウクライナ侵攻を批判する発言が元で暗殺されたのではないかという噂が広がり、疑問を抱いた真野が調査を進める。すると、新興宗教教団からの怪しい寄付金や総務省が絡む政治資金の不正還付など、さまざまな疑惑が持ち上がる。真野は、学生アルバイトの樽見、ロシア人貿易商イワンと協力して真相に近づいていく。新幹線内での殺人に隠された意外なトリックとは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中寛一
13
国会議員の秘書になったものの、その議員が新幹線内で死亡。総理大臣の不正を暴いて「あとは司直の判断〜」と敵も多かったからか。なぜ、誰に殺されたのか?事件を追う中で、宗教団体と政治、政治資金規正法、社会福祉法人、NHK国会中継、ウクライナとロシアなど、政治に関わるいろいろなことも描かれていて、秘書経験者の作者だからこそ描けたこともあったようだ。献金と税免除など一般にあまり知られていないことに触れながら、今後も政治や議員に係るものを読んでみたい2024/08/24
純子
8
メーカー営業職、国会議員秘書を経て小説家に転身との紹介あり。小説より奇なり的な日々を過ごされたかどうかはわからないけれど、秘書経験が生きている場面はきっとたくさんあるのだろう。陰謀や裏切りなどはどれほど渦巻いているのだろう、不正はそれほど発覚しないものなのだろうかなどと現実的政界にも思いを馳せながら、面白く読みました。2024/09/12
☆Ruy
5
初作家作品。国会議員が新幹線内で死亡。暗殺の可能性が出てきて秘書の真野がその真相を追う。今の国会議員の疑惑まみれの現状と照らして読むと楽しかった。登場人物が有能で個性的。 新興宗教団体、裏金、スパイ、闇バイト、暗殺…今の政治に重なる事が多い。「国会のトマホーク」と呼ばれる殺された荒岩議員は良い意味で清濁併せ呑む政治家。己が利益の為に悪を働く議員とは違う。こう言う政治家に出てきて欲しい。2024/09/12
うさぎの次はギンヤンマ
0
いい感じで読み終えました。読書はだいたい昼休みが多いのですが、これは文章のリズムが良くてどんどん読み進めたくなって困りました(汗)。登場人物たちの描写もリアリティがあってどの立場でも感情や考え方が分かるので、すごく楽しめました。核となる事件の他に散りばめられた事案の配置もバランス良くストーリー全体の間延びもなかったです。傑作とまでは言い切れませんが、エンタメとしては秀作だと思います!2024/07/12
烏骨鶏
0
政治家の私設秘書として堅実に業務を勤めてきた若者が、代議士の不審な死をきっかけに巻き込まれ型で真実を探り出す。政治畑の色々わかりにくい深謀遠慮が面倒だけど、脳天気なのにできる同僚や怪しい助っ人や、如何にもその世界ぽい人物造形でそこそこ楽しめました。2024/08/12
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