内容説明
刑務所の庭の巨大なマンゴーの木の下で、街の光を眺めている少年の名前はポン。彼は法律により、13歳になるその日まで、刑務所を出ることができません。何の罪をおかしたのでしょう? いいえ、ただ「刑務所で生まれた」というだけで。ポンは、あの光の下には自由が待っていると信じていました。ところが、ある日知ってしまったのです。13歳になってここを出たあとも、自分はけっして本当の自由を手にすることはないのだと。一方、刑務所長の”完ぺきな娘”ノックは、父の名誉を守るため、脱獄犯となったポンを追いかけます。ノックにとって、法を守ることは絶対であり、ポンは再びつかまって罰をうけ、一生を刑務所ですごすべきなのです。しかし外の世界は、ポンに、そしてノックに、思いもよらなかった真実をつきつけるのでしたーー。ニューベリー賞候補作となった感動のファンタジー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
84
児童書版レ・ミゼラブル的物語▽大火で焼けた町を救った英雄「総統」は魔法の光で全ての動力エネルギーを作り出す。人々は安全で秩序だった町で暮らす。女子刑務所で生まれた赤ん坊は13歳まで罪人として収監される。総統に「闇に生まれた者は、かならず闇に帰る」と言われた9歳のナムウォンは脱獄し、北の村の寺院でチャム老師に教えを受ける。刑務所長の娘ノックは、家族の名誉挽回のために執拗にナムウォンを追い詰める▽ジャベール警部のようなノックとの攻防にドキドキさせられた。差別や貧しさへの抵抗など読む価値のある本。2024.3刊2025/04/06
りらこ
28
祈りや、魔法が現実のものとして存在する世界として描かれながら現実感のある物語だった。総督の独裁ぶりは誰かを思い出させる。 総督は光の玉を与え、闇に対しての恐れを植え付け、法律を自在に解釈し押し付けながら便利な社会を提供することで、 人々を縛り付けている。が、しかし、人々の心を縛ることはできない、ということが鮮烈に描き出されている。 主人公たちが、自分の心の良心に従って行動するさまを読むのは、爽快だ。 そしてどこか既成概念に捉われている「大人の自分」への自戒も込めて読んだ。NetGalley2024/04/12
まる子
26
刑務所で生まれた子供は13歳になるまでそこを出ることが出来ない。子供に罪はないのに。さらに受刑者である刺青を入れられる。刑期が終わってもそれは消える事はない。「闇に生まれた者は、かならず闇に帰る」なら、未来はないのだろうか?たまたま授かった光を作る力。それをどのように扱うかは人それぞれの使い方によって世界は変わる。現実の世界も同じく、良い方向に使えば良くなる。しかし、そう考える人ばかりではないのも現実。ポン、ソムキットの考える生き方、ノックの勇気、アムパイさんの優しさが変えた結果に誰もが救われたよね。2024/06/12
金太郎
3
刑務所で生まれたと言うだけでその後過酷な人生を、歩むが色々な人々との出会いが彼を成長させる。最後の章に、感銘する。2024/12/11
海東 侑
0
星じゃねえんだ、珍しいな、というのがパッと見の感想だったが確かにこれは闇にかける願いだな……というのが読了後の感想 名前の響きからインドとかチベットとかの話かなと思って読み進めたらファンタジー要素もあり(というか途中まで「光の球」のこと電気だと思ってたからね)、不思議な感じ 勧善懲悪というより己の信念というか、そういう信じるものの話なので児童書として質が高い感じがする2025/10/01
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