内容説明
ニューヨーク州ウッドストックの森で、児童文学から、禁断の大人の恋まで紡ぎ出す”言葉の魔術師”と、プロダクトデザイナーを目指してイタリアへ、いまはトスカーナの丘で物語を組み立てる”物語の建築士”。作品を通して出会ったふたりの児童文学作家が手紙で語り合うのは、仕事のこと、旅のこと、子どもの頃のこと、いまの子どもたちをとりまく環境のこと、アメリカ、イタリア、日本の三角関係について……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
153
小手鞠 るい、3作目、佐藤 まどか、初読です。二人の作家の日米伊比較文化社会学的往復書簡集、大変読み応えがありました。二人共海外で活躍していて、大変逞しいと思います。佐藤 まどかの著作は未読なので、機会を見つけて読んでみたいと思います。 http://www.spng.jp/book/b644614.html2024/06/15
fwhd8325
64
とても充実した内容の往復書簡でした。小手鞠さんは作品も定期的読んでいますが、児童文学よりも大人の女性を描く作家としての印象の方が強い。佐藤まどかさんはまだ作品を読んでいないのですが、この往復書簡はとても人柄がよく出ていると感じました、作品にも興味がわきます。ここで、女性ならではという表現は禁句でしょうが、お二人とも視点が鋭い。私はその新鮮さに感動しました。2024/05/21
万葉語り
42
何気なく手に取ったこの本が持っている力に引き込まれた。今年読んだ本の中で一番よかった。小手鞠るいさんに惹かれた借りたけど佐藤まどかさんの作品も断然読みたくなった。幸せとは幸せを感じる能力のこと。窓を開いてその向こうへ飛び込んでいったステキな女性たちに憧れます。2024-972024/08/04
あつひめ
39
図書館の棚でとても落ち着いた絵柄の表紙が気になり借りた。新しい本だったのですね。イタリアとアメリカで暮らす日本人作家さん。外から見る日本は「ちょっと変だよ日本人」と思うことがたくさんあったことでしょう。往復書簡で思いを伝えあうお二人。最初は初めまして的な自己紹介風から少しずつ疑問や思いを語り合う。手紙という時間がこの本の中から感じられる言葉の魔法。幸せとは何か…幸せを感じることができる能力。素敵な言葉だ。心にとめておこう。セクハラやいじめ、昔から良くないものを何となく許してきた日本社会を何とかしなくては。2024/07/05
みそさざえ
11
海外に住むと強くなるし、きちんと意見を表明しないと思うようには生きていけない。しんどいけどその訓練は必要なのではないかと、今の日本を見て思う。佐藤まどかさんは、特に多くの困難を乗り越えてきた方のようで、どんな作品か読んでみたくなった。2024/07/01