内容説明
大学の客員教授、久和が窃盗と公務執行妨害の容疑で逮捕された。運転する車の中から、血の付いた他人の財布が発見されたのだ。久和は内閣府が設置する経済財政諮問会議に参加したこともある経済政策通だが、警視庁志村署の佐久間に対し「公務員を信用していない」と言い、取調べは進まなかった。一方、財布の持ち主を捜していた志村署の中田は、フリーライターの菊池に行き着く。菊池は交通事故を探っていたが、その事故には財務省のある人物が絡んでいた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
375
誉田 哲也は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本作は、著者の新境地でしょうか、財務省財政政策社会派ミステリでした。財政・経済政策には、色んな考え方がありますが、好調な業種、売れてる商品・サービスがあり、低いレベルでも成長し、賃金が上がっていかないと、その内デフォルトを起こすと思います。その前に無駄(ほとんど意味のない国会議員、何時まで経っても出来ないリニアモーターカー等)を極力削減頂きたい。 https://www.futabasha.co.jp/book/978457524747300000002024/07/23
旅するランナー
288
刑事小説を読みながら、経済のお勉強ができる画期的な書。そして、タイトルの意味が分かった時、日本国民として怒りが沸き起こる。そういう意味では、説得力ある被疑者の経済談義による主張に筋が通っているように思われる。公務員を信用しちゃダメなのよ。2024/08/21
読特
265
失われた30年を招いた信者8千万の巨大カルト。漸く始まった脱洗脳。様々な方法が試されるが、本書では警察小説という手段をとる。…内閣官房参与を目の前にして無実の罪で陥れられた元財務官。取調室で説いたのは緊縮財政という教義の過ち。末端信者を苦しめながら、教団幹部はどうやって甘い蜜を吸ってきたのか?さもありなんというからくりだが、これは創作である。かの省だけを悪いことにして終わりにしてはいけない。「思い込まされてきた国民も怠惰で愚か」という言葉を重く受け止める。信じてしまった一人ひとりも責任を感じねばならない。2025/08/31
reo
210
税は財務省が財源を牛耳るための装置だという。世の中デフレに陥ろうがGDPでドイツに抜かれようが、景気が悪くなろうが知ったことではない。とにかく増税をし、国民から搾り取れるだけ取る。国庫から貸付金、出資金という名目で様々な特殊法人や独立行政法人などに資金提供をし、その見返りとして天下りを受け入れる。財務省は何が何でもこの特権を手放さない。そして裏側では与野党のクソ政治家が公金チュウチュウに群れる。今の財務省は緊縮財政派の天国。この役所は一度解体しなければ国民の生活は豊かにならない。こんな話に殺人事件が絡む。2024/11/18
LaVieHeart
201
献本プレゼントに当選!折角なので発売日前に読みたいと思って早速読了。今作は経済。。。というか、財務省に切り込んだ作品。経済の話はあまり詳しくないのだが、日頃疑問に思っていた経済の話を、被疑者の久和先生が分かりやすく詳しく説明してくれた。 「当たり前のことを、当たり前のように積み上げていけば、当たり前の答えにたどり着くんです。それを、自分には分からない、分かるはずがない、分かりたくないと、最初から諦めてしまうから、あんな陳腐な妄言に騙されるんです。」誉田哲也さん、最近の作品はなかなかぶっ込んでくるなぁ。。。2024/05/27
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