内容説明
両親を亡くして伯母夫婦に引き取られた善治のもとに、犬の訓練士の従兄から連絡が入る。実家で元警察犬を預かってくれ、と。その犬アレックスは靭帯を怪我して、救助活動ができなくなったそうなのだが、普通に歩けている。この引退には何が隠されているのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
72
幼い頃に両親を亡くし、伯母夫婦に引き取られた善治。自分が来たために10歳歳上の従兄の大我は大学進学をせずに全寮制の犬の訓練士の学校に進んだのではないかと思う日々。大学生になったある日、訓練所を営むようになった大我から元警察犬のシェパード・アレックスを預かることに。とある理由から犬が大の苦手な善治、伯母夫婦には従順なアレックスは善治の言うことを聞いてくれない。犬と大人になりきれない善治がどうやって心を通わせてゆくか?楽しく読めた1冊。青谷真未さん、初読み。2024/09/06
シャコタンブルー
52
激しく吠えながら牙をむき出しにして犬が襲いかかってくる。そんな悪夢を見る善治は過去のトラウマで犬が大嫌いだ。それが元警察犬シェパードのアレックスを世話することになる経緯は巧みな心理描写と相まって無理がない。悲惨な事故で両親を失い、優しい伯母夫婦に育てられた善治の心の闇は深い。いつもどこかで遠慮して本当の家族にはなり切れない思いが強い。だがアレックスが来てから家族での会話や話題も増え次第に日常生活も変わっていく。犬と触れ合うことで素直に生きることの大切さや家族の温かさを知る。優しさ溢れる物語だった。2024/07/30
papako
31
楽しかった!両親を事故で亡くした善治は伯母の家に引き取られる。あるきっかけで犬嫌いになるのに、ドッグトレーナーの従兄の大我から元警察犬のアレックスを任される。アレックスもある問題で警察犬を引退していた。善治とアレックスのやり取りがとても良かった。犬に限らず動物に100%絶対はないよな。犬のしつけは百歩進んで九十九歩戻るようなもの。ほんと、これ忘れがち。千草とキャンディのやり取りを読んでると身につまされた。どんな形であれ、責任持って飼っていかなくては。家族、善治がきちんと居場所を確かめられてよかった。2025/08/16
よっち
25
両親を亡くして優しい伯母夫婦に引き取られたものの、どこか孤独を感じていた善治が、落伍犬の烙印を押された元警察犬のシェパードに出会う青春小説。犬の訓練所に就職していた大我から一時的に預けられた、任務で足を痛めて引退したアレックス。犬嫌いの善治が世話をする羽目になって始まった、振り回されるようになっていく日々。離れたブルドックと少年の絆、障害物競技に挑むチワワとギャルの苦闘にも関わりながら、アレックスと共に過ごす中で自分がずっと抱え込んでいた過去にも向き合って、大切な絆を取り戻していった結末は印象的でしたね。2024/07/23
信兵衛
17
人と犬の強い繋がりが描かれるだけでなく、犬を大事に思うことによって自分たちも成長していく姿が見られるのが嬉しい。2024/07/31
-
- 電子書籍
- 靴づくりの文化史: 日本の靴と職人
-
- 電子書籍
- 関水渚写真集「なぎさ日和」
-
- 電子書籍
- もしものための防犯ゼミナール
-
- 電子書籍
- ニューコース問題集 中学国語 学研ニュ…
-
- 電子書籍
- 九十九怪談 第三夜 角川文庫