内容説明
「生きねばなりません。
そのお手伝い、
させていただきます」
切腹を命じられた武士を
お梅は療治できるのか?
読むと身も心もやわらぐ時代小説
【あらすじ】
五歳の時に光を失い、
揉み療治を生業としているお梅。
市井の人々に大評判で、一年先まで申し込みが
埋まっている。ところが今すぐ主の腕が動くよう
療治してほしいという武士が現れた。
お梅でなければ駄目なのだと。
武士から「張りつめた者」の気配を
感じ取ったお梅は、
三日後、主のものとへ向かう!
「人は、どこか緩めないと生きていけない」
【著者からのコメント】
江戸の揉み師、お梅の物語、その二作目です。
お梅は、早とちりもするし、とても弱い部分
もある少女です。でも、人の芯に凛とした気迫
を宿してもいます。盲目だからこそ見え、
感じる世界と共に、お梅の凛々しい生き方を
読んでいただけたら嬉しいです。
■主な登場人物■
お梅 五歳の時に光を失い、人に揉みを
施すことを生業としている十七歳。
十丸 お梅の用心棒。
人には白い大きな犬に見える。
お筆 豆大福が評判の紅葉屋を出している。
揉み仕事の依頼を受けお梅に取り次ぐ。
お昌 両親を亡くし、祖母のお筆と暮らして
いる。お梅の仕事の段取りを担う。
先生 お梅に揉み師の才を見抜いた者。人には
白茶の天竺鼠に見えている。
お酒に目がない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
おもみいたしますシリーズ第2弾!盲目のお梅17歳が凄過ぎる。今回は久能家当主和左之介の切腹に係る長編。ハラハラしながらページを捲っていた。和左之介と姉の抱えていたことは重い。「身分がどうあっても、人は人だ」と思うお梅が凝りを解し、企みに気付き奔走して、人として生き直す手伝いをする顛末。ちょっと出来過ぎや~と心の声が漏れたのはご愛嬌。十丸や先生も好きだが、仙五朗親分の出番が少ないのが残念なので次回はもっと絡みをお願いしたい。2024/07/01
タイ子
92
シリーズ第2弾。5歳の時から光を失ったお梅。今や一年先まで予約で埋まる人気揉み師。彼女のそばにはいつも白い犬・十丸がついている。人には犬に見えるこの犬の正体は神でもなく、人でもなく何者でもない(十丸曰く)不思議な存在。心と心で通じ合うお梅と十丸。今作はその2人が呼ばれた先がえも言えぬ空気を纏っている屋敷。もうすぐ切腹する主の動かない腕を治療してくれとの依頼。何故切腹を?理不尽すぎる理由にお梅は憤る。あさの節の始まり~。盲目ゆえ見えるもの、感じるものがある。天竺鼠先生が面白い。緊張と緩みの緩急がいい物語。2025/01/06
ゆみねこ
82
盲目の揉み師・お梅、シリーズ第2弾。今すぐ主の腕が動くように療治してほしいという武士、その張り詰めた気配を感じたお梅は主のもとへ。生きる気力を無くした若き武士、彼は女郎と心中を計ったとして切腹を命じられていた。どちらも怪我もなく無事なのになぜ切腹しなければならないのか?天竺鼠の先生や十丸、そして仙五朗親分の力も借りて命を救うためにお梅が取った策は?心と身体は繋がっている、私もお梅さんにほぐしてもらいたい。2024/07/21
itica
78
秘かに待ち望んでいた「おもみいたします」続編。5歳で視力を失い、揉み師として糧を得ている17歳のお梅。傍らには犬の形をした(犬ではない何か)十丸が寄り添っている。お梅は気配で察する能力が高く、十丸はお目付け役のようでありながら結局、お梅に甘い。そんなふたりのやり取りが面白い。今回は依頼を受けた訳ありお武家様の騒動。相手が誰だろうと揺らぐことのないお梅が「武家の器ではなく人の器の話」と言い切った。ひやひやするよね。でも惚れちまう。 2024/07/01
hirokun
76
★4 あさのあつこさんは好きな作家さんの一人で新刊を中心に読んでいるが、今回の作品は、おもみいたしますシリーズの第二弾。彼女の時代人情小説は、読後感が私にはとても良くてここ五年くらいの新刊はすべて読破している。今回は正直すこし間延びした印象を持った。このシリーズは、推理小説としての深掘りをするよりも短編で切れ味の良さを追求してほしい。2024/07/09
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