内容説明
〈憑き物落とし〉中禪寺洲齋。
〈化け物遣い〉御行の又市。
〈洞観屋〉稲荷藤兵衛。
彼らが対峙し絡み合う、過去最大の大仕掛けの結末は――?
文学賞3冠を果たした〈巷説百物語〉シリーズ堂々完結!
下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。
凡ての嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから〈洞観屋〉と呼ばれていた。
ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれる。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者ども炙り出してくれというのだ。
敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たち――。
依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇する。
やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
247
京極 夏彦は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。〈巷説百物語〉シリーズ完結巻、1,149頁凶器本、完読しました。 「了(おわり)」ということで、オールスターキャスト、大団円、京極堂(中禅寺秋彦)の曾祖父・中禪寺洲齋も大活躍でした。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000014887.000007006.html2024/07/04
Richard Thornburg
128
感想:★★★★★ 巷説百物語シリーズ第7弾にしてシリーズ完結編! それぞれの立ち位置は違うのですが、何と主役格3人に加え、これまでに登場した人物たちが総出演で超豪華! 仕掛の規模はこれまでのなかでも最大級。 天保の改革の裏で老中首座は良くも悪くも謀に踊らされ、改革は失墜していく・・・ 貨幣経済の発達に伴って逼迫した幕府財政の再興を画策していたとか、老中首座の取り巻きの面々等は史実に違わないところが妙にリアル感が出ていい感じだったと思います。 2024/08/30
星落秋風五丈原
109
時は幕末、井伊大老の時代。時の老中首座水野忠邦は、堀田正睦と組み、後に天保の改革と言われる善政を成そうとしていた。貧しい小作人の生まれで、下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛は、狐を化かして捕ることで有名だった。だが、彼にはもう一つ特技がある。すべての嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから“洞観屋”と呼ばれていた。ある日、藤兵衛に山崎という男から、依頼が持ち込まれる。水野忠邦による大改革を妨害する者どもを炙り出してくれというのだ。敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たち。2024/08/05
愛玉子
98
『理不尽なこと仕出かす奴等はな、それが理不尽だとは思ってねえのだ』化け物遣いたちの企みを探るべく差し向けられたのは、まやかしを見破る洞観家。理不尽に虐げられた人々の嘆きが、怨嗟が化け物を生み、しかし権力者はそんなものよりよほど悪辣で悍ましい仕組みを作りあげて人々を食い散らす、この繰り返される理不尽。「不思議」は「理」で解体され、憑き物は落とされる。闇から生まれたものがまた闇に溶けていく、ただそれだけのことかもしれないけれど、彼らの物語をまだ読みたいと思ってしまう。令和の今の世を彷彿とさせる物語でもあった。2024/11/24
Tanaka9999
93
2024年発行、KADOKAWAの単行本。7編。これまでとは違い短編連作形式ではない。オールスターキャストで楽しい。それにしても意外と斬りあい殺し合いが行われる。江戸での活躍の話にも関わらず新しい語り手が登場。もっとも新しい語り手だから激しい争いになっても不思議ではない、という気がする。今までの語り手だとちょっと折り合いがつかないのではないかという気がするから。時系列的にはこれより後の話は「遠巷説百物語」となるのかな。「遠巷説百物語」がだいぶ変な感じがするのはこの事件の後だからか。2024/08/08
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