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内容説明
鳥居きみ子の夫は、「知の巨人」ともいわれ、明治から昭和時代にかけて活躍した人類学者、鳥居龍蔵です。彼の生涯や研究業績を紹介した本はたくさんありますが、きみ子のことはこれまで紹介されたことがほとんどありません。じつは、「家族とともに調査・研究する」という形で、女性の活躍が厳しい時代を生き抜いた先駆的な研究者なのです。人類学のなかでも、昔から伝わる生活・風習・伝説・歌などを調べる民族学を切り開きました。その生涯をはじめて伝える一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
167
一歩踏み出せば何かが起こるかもしれない。その強い思いがなければ人生は全く違うものになっていただろう。我が道を進みたければ不安は多く必ず苦労するが、それを受け入れなければ道は拓けない。戦争という世の流れに振り回されながら、フィールドワークを家族とともに続けた女性研究者の記録は貴重である。書物からだけでなく現地の人と触れ合い、風土を感じ考察する。あらゆる組織から離れ立ち上げた鳥居人類学研究所は東アジアで歩みを止めなかった。本書は貴重な写真が収録され、読者も共に研究している体感があり、後世に残したい一冊である。2025/05/25
Aya Murakami
70
図書館本。課題図書2025。 時代が変われど、女性が役立たず呼ばわりされたり、家事育児ワンオペだったり非常に現代的な部分が見られる。 鳥居きみ子はこの本で初めて知った初めましての人だが、紆余曲折の末、人類学のフィールドワークに飛び込んだ壮絶な人生を送ったもよう。 後、戦前戦中からモンゴルは中国ロシアに挟まれて大変な状況に置かれていた模様。戦後から内モンゴル外モンゴルと分けられていたのだと思い込んでいた。ある老学徒の手記も読んでみたい。ehonで売り切れだけど…。2025/10/08
Willie the Wildcat
60
軍国主義台頭の時勢の下、一途・無垢な探求心が夫妻の源泉。(成果の有無のみならず)家族が文字通り一つとなり、コトを成し遂げる過程が羨ましくもあり、想いが他者に伝わり道が拓かれる過程に納得感。学者としてはもちろんだが、親として言葉ではなく行動と結果で示す姿勢に敬意。加えて、きみ子の多民族・文化尊重の姿勢も、対象読者に感じてほしい点。掲載された写真・文字群も、対象読者の理解を深めるのに一助。一方、「何故”フィールド”なのか」など、少々子供には読み取りにくいかと感じる点もあったが、危惧しすぎかな。2025/12/13
k sato
33
明治のワーキングマザー、鳥居きみ子。四人の子育てをしながら家事も研究もこなす姿に圧倒された。夫・鳥居龍蔵は「町の研究者」として自宅に「鳥居人類学研究所」を構え、一家でフィールドワークに取り組んだ。明治に女性が研究の世界で活躍するのは困難だった。きみ子の姿からは、津田梅子や村岡花子のように、時代を切り開いた女性たちの面影がよぎる。私には、三足の草鞋を履く生活は真似できない。でも、家族と共に知を追究する暮らしには、理想郷のような憧れを抱いた。もし私が研究所を開くなら、鳥類研究所と猫研究所になるかもしれない。2025/07/19
chiaki
33
2025年中学校課題図書。文化人類学者鳥居龍蔵の妻で、共に研究者として明治〜昭和を駆け抜けた鳥居きみ子の伝記。女性は家庭に入って家を守るのが良しとされた時代。やりたいことに専念し信念と使命を貫いたきみ子の生き方はまさに朝ドラ的。モンゴルや中国に赴き、現地民族にとけ込みながら彼らの風習や習慣、伝承などを採集するフィールドワークを進めた功績は、龍蔵始め家族の理解と協力なくして語れない。鳥居家の伝記かな。伝記は読むと心揺さぶられて影響を受けちゃうことが多いですが、これは描き方があんまりな気がします〰️。2025/05/27




