内容説明
伊藤亜和――彼女はいったい“何者”なのか。
父の日、X(旧Twitter)上にぽつりと投稿されたnoteの記事「パパと私」が瞬く間に話題となり、著名人の目に留まった彼女。
彼女の淡々とした語り口で紡がれる物事の数々は、我々の世界の解像度を少しだけクリアにしてくれる。
彼女のフィルターを通して見えている世界を体感し、彼女の一端に触れることが出来る、家族、人間、愛にまつわる珠玉のデビュー作!
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私の努力で報われたことなどなにもない。
だからせめて、この1冊目は愛してくれた貴方たちに捧げます。
私を信じてくれてありがとう。
互いの愛おしさに耐えられなかった私たちへ、言いそびれてしまったことが全て届きますように。
(「わたし」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mukimi
111
伊藤亜和のことを知らない人は、セネガル人の父について書いたnoteの無料記事「パパとわたし」を読んでみてほしい。吸い込まれて私は本書をいつの間にか手にしていた。世の中を見る目のセンス、文章の上手さ、という領域の才能は確かに存在するのだと思い知った。一本の記事が著名人の目に止まり、突然一つの才能が白日の元に晒され筆者を取り巻く世界を変えてゆくのを追体験できる。有名になってから書かれた自己分析エッセイも鋭い観察眼とめんどくさい性格が堪らないのだが、有名になる前に書かれた家族のエッセイがのびのびとして鮮烈だ。2025/07/29
林檎
21
伊藤亜和さんのエッセイ。文章が『客観的』だと言われると書かれていたが確かにそうで、変な押し付けがなくこちらの自由な感覚で読めるのが良い。亜和さんはなかなかクセがありそうだけど、ちょいちょい共感ポイントが出てきてそれも面白い。『根性が据わってるふりをしてしまう癖』とか、自分にも思い当たり過ぎてプッと吹き出してしまった。2025/01/28
蝶子
16
エッセイ。なんでメディアワークスでエッセイ?と思って買った。読み終わった今もなんでメディアワークスでエッセイ?と思ってるけど読んでよかった。私とはぜんぜん違う生い立ちなのに、そういうことあるよな…と思う話題が多い。特に就活の話とか。あとハーフであることでとても苦労されたようだけど悲壮感があんまりないのもとっつきやすい。こういう困りごともあるんだな…。何者かになりたいという気持ちにはすごく共感するけど、何者かになったところで次の悩みも出るんだよな、と思ってしまうあたり私は嫌な大人になったな〜。2024/07/23
umico
15
自分の言葉を持ってる人だ。孤独で粗いけれど底抜けに愛のある言葉の運び方。真っ当に悩み、真っ当にいじけ、悪態をつき、真っ当に足掻いているその姿をきちんと見つめている立ち姿が美しい人だと思った。ばあちゃんにこっそりムーミンのマグカップを置いておくところが好きです。ジェーン・スーさんが絶賛してただけある…と納得。「互いの愛おしさに耐えられなかった私たちへ、言いそびれてしまったことが全て届きますように。」「愛してると言えない代わりに、お尻が光ったりすればいいのに。」2025/01/19
コンチャン
13
エッセイとしては読みやすいし楽しめました。今回の作品は著者の家族から派生したテーマが多かったので、今後活動を続けていくにあたって、どのように変化していくのか楽しみです。2025/01/14
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