内容説明
『ハウルの動く城』『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』etc…。多くの人が耳にし、また実際に観たことがあるであろうこれらの作品には、実は原作がある。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、角野栄子、夏目漱石、宮沢賢治などによる原作である。宮崎監督はそうした原作に依拠しつつ、類まれな脚色力=〈翻案〉力を発揮することによって、まさに〈視覚的文学〉ともいうべき独自の世界を構築してきた。
オリジナルを超える名作はどのように生みだされたのか。〈翻案〉の魔術師・宮崎駿の創作の秘密に、アニメーション研究の最前線に立つ著者が迫る。本書を読めば、全く新しい視点からジブリ作品を楽しめるようになる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
23
ぱやお様のジブリ映画の翻案の妙を論じる本。ポニョは人魚姫とおなじく「歩行への夢想」というのはなるほどな~と。歩けないと死ぬ話でしたねあれ。みんな死んでた。トトロのおうちが宮沢賢治の妹のトシさんが結核で療養してた羅須地人協会を翻案してたのもなかなかきついね…。ジブリ映画では結核は環境ではなく体質遺伝説をとってて、サツキたちの父ちゃんや風立ちぬの二郎は移らない遺伝子をもってるからキスしまくってたっつうのはむごいな…。著者による君生きバードについての評伝も読みたい。2023/08/12
takao
5
ふむ2024/04/01
ハナさん*
2
2023年7月20日初版第1刷。市図。仕事で本書を基にした論文の校閲をするので、資料として借り、ついでに全部読んだ。著者は元々は文学研究(宮沢賢治が専門)畑の人。宮崎・高畑作品には賢治の影響が認められるところから、ジブリアニメの研究にも手をのばしたらしい(ジブリアニメの講義をするのは、大学側から提示された採用条件だったそうだ)。幼少期からアニメに親しんできたオタクではない。「大学での講義の再現」を目指した本のため、文体は講義口調であり「研究書であれば必要なエビデンスや注を多く割愛」(p.233)している。2025/03/08
risa n
1
★★★2024/03/14
起死回生の一冊を求めて
1
とてもおもしろく読めました。個人的にはもっと作品ごとに深い考察を読みたかったけれど、各人で興味を持ってもらう導入編としてはとても良い。村上春樹も宮崎駿も「無意識の底に行って」「深井戸を掘って」作品を産み出している、という記述には、なるほどと。無意識の底には個人のものではないものがある。だからこそ両人の作品とも、たくさんの人の心に触れるのかなぁ。2023/09/13
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