内容説明
本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。このままでは城が落ちる。兵や民草の心に巣食う疑念を晴らすため、村重は土牢に捕らえた知将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めるが――。
事件の裏には何が潜むのか。乱世を生きる果てに救いはあるか。城という巨大な密室で起きた四つの事件に対峙する、村重と官兵衛、二人の探偵の壮絶な推理戦が歴史を動かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
485
荒木村重は信長を裏切り有岡城に籠城する。城内では次々に事件が起きる。村重が裁かなければならないが犯人も動機も手口も不明。土牢に幽閉していた黒田官兵衛との会話を手掛かりに謎を解き裁きを下す。事件以外にも読者に示される謎は多い。村重が謀反を起こした理由、官兵衛を殺さなかったのはなぜ、村重が城を捨てたのはどうして等々。村重の心を細かに描きながら、配下の武将らの動揺と籠城戦への思いも語り、最後には全ての謎に解釈を与える。時代小説としても違和感がなく十分楽しめました。2026/05/04
mae.dat
320
米澤穂信さんも読んでみたい作家さんの一人でした。日本史は苦手な分野ですが、黒田官兵衛には幾許かの興味を抱いており、絶好の計らいと思ったのです。畿内は有岡城のヒタヒタとした閉塞感がずっと続きます。武家の義や理などは知らねども、最終盤の第4章以降は、何やら熱いものが激ってきましたよ。官兵衛の史実や戦国時代の事は、個人的に少しづつ勉強して行こう。そうすると家族の会話の間口も広がるしね。実際昨日坊主に、官兵衛の事を少し教えて貰ったよ。おっと、清洲会議に呼ばれたので、ちょっと行ってきまする(ギリギリの歴史知識)。2024/09/06
星野流人
156
信長に反旗を翻し有岡城に籠城した、荒木村重という武将が主人公。めちゃくちゃ時代小説じゃねえか〜!と普段時代小説を読まない身なので身構えるものの、読み進めていけばいくほどに米澤穂信さんらしいミステリでした。有岡城を揺るがす怪事件が起こる度に、囚われの身の黒田官兵衛に知恵を借りに行く構図がとてもわくわくします。そしてまた単なるミステリにも収まりきらず、終盤には大仕掛けもあり、圧巻の完成度。武将として下々の者の命を捨て去ることのできる村重が、茶道具ひとつを惜しむ場面が印象深かったです。2024/07/14
maekoo
152
第166回直木賞受賞を始め数々の大賞を受賞す戦国ミステリーの傑作! 信長に反旗を翻し有岡城に立て籠もる戦国武将荒木村重…場内で起こる不可解な連続殺人事件! 謎が謎を生み様々な登場人物がその事件とその解明に関わる…土牢に閉じ込めた黒田官兵衛にその謎を問う…ヒントを得て動く村重…しかし…! 四つの事件の糸を手繰り解いて行くにつれ思惑と違う状況が進行する! 曲輪・兜の吹き返し・書状の取り交わし方とその戦略・茶器・番卒・解死人等戦国時代の武士のしきたりや習俗、懈怠・模糊等古典的言動も ⇒②2026/07/08
mkxf31
144
歴史小説物として読んだつもりだったのだけど、中身は推理小説物? ミステリ小説ではあるものの、籠城長引く有岡城のなかで、勇猛果敢な武士の心が少しずつ変化していく怖さ、誰が敵か味方か分からない不安、少なくなっていく兵糧。 この閉鎖された空間、世に言うところの密室で起きる事件の解決を官兵衛の知恵を借りて進んでいく・・・ それ自体が、官兵衛の策であるかの如く。 確かに、歴史小説と推理小説、ミステリを掛け合わせた、今までに読んだことのない面白い物語でした2025/02/15
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