内容説明
白石一文史上、最も!?ハッピーエンドな物語。「とにかく、今日は人生で一番嬉しい日だ。やったぞって気分なんだ。」邂逅、結婚、転身、流産、裏切り……夫婦の実相を描いた快作。
カメラマン志望の俊彦はある日、撮影のために訪れた東京・月島の路地で「小料理すま」を営むみすみと出会う。二人はほどなく結婚。やがて俊彦は小説家へと転身を図るが、作家デビューはままならず、みすみは二度の流産で悲嘆に暮れる。そんな折、阪神淡路大震災が発生し、みすみの実家が被災して……。時々に吹き荒れる逆風、荒波に翻弄されながらも懸命に生きる二人。だが、いよいよ追い詰められた俊彦が、命を投げ捨てるほどの覚悟で決断し、掴み取った「快挙」とは。
●鉄筆文庫のための書き下ろし
特別寄稿「こんな恋がしたかった」山田憲和
あとがき「夫婦の醍醐味とは」白石一文
目次
1 月島
2 みすみ
3 弔い酒
4 S社の文学新人賞
5 須磨
6 ラジオドラマ
7 幸福な季節
8 〈デスク 今西太郎〉
9 一陣の風
10 絶望
11 雪江 12 尾行
13 夫婦とは なんと佳いもの 向い風
14 地蔵通り商店街
15 人生の快挙とは一体何だ
16 左の乳房
17 新装開店
18 ベストセラー
19 償い
20 柔らかな空気
特別寄稿「こんな恋がしたかった」 山田憲和
あとがき「夫婦の醍醐味とは」 白石一文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
時代
12
白石一文さんは本当に人を描くのが巧い。みすみの人となりが魅力的である。破綻しそうな不幸ごとが次々にやってくるが、なんとか持ちこたえる。これはハッピーエンドと捉えて良いのだろうか◎2024/07/04
かずぺん
4
様々な変化の中で、冷静な判断で乗り越えていく。それが苦悩を感じされるのもではなく、自然な成り行きのままに、「快挙」を見つけ出していくのが良いですね。2024/07/16
シュガー
3
何を読んだのかよくわからなかった。ハッピーエンドなのかもよくわからず、残念だった。2024/10/12
タケ
2
親との関係が悪く逃げる様に、東京に出て来たカメラマン志望の主人公、アルバイトで生計を立てる中、偶然見かけた小料理屋を営む正に良い女と上手くいき、結婚すると言う羨ましい流れ、生活していく中で不妊治療や色々とあるが、最後は物書きで成功して行く。人生色々あるが、正にタイトル通りの快挙と呼べる人生と感じた。2024/06/12
バナナカプチーノ
2
楽しみに読んだけど、うーん、ちょっと、何の話だったのかな、という感じ。期待外れでした、私には。2024/06/05