内容説明
源義経の生涯を描く軍記物語現代語訳。義経像成立過程を考察する豊富な資料と注付きの東洋文庫全2巻をまとめた保存版。解説:町田康
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
❁Lei❁
20
『義経記』の完全訳! 本書のよいところは、最新の研究に基づいた豊富な補註と、挿絵が収録されている点です。特に補註では、義経の鞍馬天狗伝説や弁慶の実在性など、私の気になっていたことが解説されていたのでうれしかったです。また、『義経記』では描かれない義経の平家追討も説明されているので、これ一冊で義経の全貌を知ることができます。『平家物語』や『保元物語』『平治物語』、『吾妻鏡』などの情報も網羅している義経研究の集大成。痒いところに手が届く新訳です。2025/05/10
Ohe Hiroyuki
4
タイトルを見れば、どのような本か大抵はお分かりいただけるだろう。本書は注釈と解説が充実しており、本書だけで平安末期から鎌倉初期の状況が分かる。▼手に取って読んだのは初めてであったが、『平家物語』で描かれる平家との戦いがほとんど描かれず、頼朝と再会したと思ったら、すぐ都落ちの展開になるのが意外であった▼軍記物語に数えられるように戦いの場面の描写の筆圧はすごいものがある。琵琶法師が語ったとすれば、さぞ惹き込まれるだろう▼本書には、日本人のこころともいえるような色が含まれているように思える。一読をお勧めしたい。2025/01/20
Ryo0809
2
室町時代に成立したとされる軍記物語。哀しい英雄・源義経の一代記。平氏を壇ノ浦に滅ぼし、兄・頼朝からの信頼と褒め言葉を期待したところが、野心と謀反を疑われて冷遇され、静御前とも引き裂かれ、奥州藤原氏のもとへと落ちてゆく。ところが、藤原泰衡の裏切りに遭って衣川にて一族もろとも自害…。ふり返れば、兄だけでなく、法皇・天皇や、奥州藤原氏と三度も致命的な裏切りにあっているところに、わきの甘さがあったのかもしれない。奥州落ちする十六人の従者の凄惨な最期や道連れとなった女御・我が子、静御前の生き様などが哀れを誘う。2024/07/05
ミヤ
1
『判官贔屓』という言葉の意味からも解るようにボタンのかけ違いのように頼朝に憎まれ危険視され追い詰められる義経は悲劇的でヒロイックであり、それがこの作品が、ひいては義経が人気である所以だろう。源平合戦の目覚ましい活躍から何もかもが裏目に出て身をやつしジリ貧ながら逃走する義経の悲運の旅路はその後辿る結果を思えばこそ切ない。もしも頼朝に反旗を翻し奥州藤原と手を組んで本格的に争ったらどうなっていただろうかと思う。義経記はフィクションではあるがそこには史実を反映させたフィクションなりの血が通っており、面白かった。2025/04/13
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