内容説明
クレーンゲーム歴30年の物理学者による、クレーンゲームで物理学を学べる一冊。ゲームセンターでクレーンゲーム機に硬貨を投入し、ボタンを操作し、クレーンを動かし景品をゲットする――。この一連の動作に「座標・ばね・重心・てこの原理・振動・力の合成と分解・摩擦力・電磁誘導・位置エネルギー・確率」といった、様々な物理の基本が詰まっています。ゲームの仕組みや景品ゲットまでの悪戦苦闘を描きながら、物理の基本に触れていく、オモシロ物理学入門!
目次
第1章クレーンゲームの物理的環境
第2章クレーンゲームとアームの物理
第3章クレーンゲームの摩擦力
第4章フィールド上の攻防
第5章プライズの転倒
第6章クレーンゲームのポテンシャル
第7章クレーンゲームのコイルと電流
第8章クレーンゲームの確率と規則性
おわりに
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
25
著者は趣味が高じてクレーンゲームの研究を続けている物理学者。てこの原理、摩擦、重心、力の合成などクレーンゲームに関連する物理の基礎をイラスト(著者の娘さんが描いたそう)入りで解説してくれる。クレーンの実機を入手して分解までするあくなき探求心や、それでいて店の思惑にまんまと引っかかるおちゃめな姿も垣間見えてほほえましい。客の射幸心をあおる効果的な工夫や、ターゲットとする客層と賞品ラインアップ、昨今のインバウンド消費にからむ料金設定など「経済学」バージョンもあったら面白そう。2024/04/09
ゆう
13
夫が昔からクレーンゲームにハマっているから参考になるかと買ってみたけど、あまり実践で役に立つ内容ではなかった。 でも絶妙にバネや高さを調節したり、簡単に取られない様に様々な工夫をしているのがわかって面白かった。 それでも技術と頭を使っていろんな物をgetしている夫の素晴らしさを改めて感じた。 昔はぬいぐるみばっかりだったけど、最近はお財布やカードケース、水筒やコップのセット、収納ボックスといろいろな物があるのも嬉しい。2024/06/22
おやぶたんぐ
9
かつては妻共々のめり込んで、小学生だった娘からストップが入ったこともあるクレーンゲーム。物理学からの解説というちょっと腰が引けそうな内容だが、思いのほか読みやすかった。勿論クレーンゲーム必勝法的な本ではないが、“必殺技”(?)の解説もあり。2024/05/25
志村真幸
6
本書は、著者の趣味であるクレーンゲームをネタに、実際の授業で教えている内容を一冊にまとめたものという。 クレーンゲームを操る際に大切になる「座標」という考え方から始まり、「重心」を見抜くことでプライズを動かせるようになり、といったふうによく整理され、わかりやすく書かれている。 摩擦力や確率といった問題にまで発展し、クレーンゲームと物理の両方への理解が深まっていく。 本書を読んだからといって、連戦連勝できるようになるわけではないが、身近なところから科学を深めていく楽しさが伝わってくる。 2024/04/06
オズ
5
摩擦力とか重力とか反力とか、物理の目でどうすればプライズをGETできるか、について著者が考察する。とても良いと思う。しかし確率や天井の問題がある。近年はゲーム機側の設定で、取りやすさ・アームの強さが変動するようになっているものが多い。あくまで本書は物理の視点から考察するのが主であって、本気で商品獲得したい人は普通にその辺の攻略ブログを参照しましょう。2025/02/09