内容説明
若き総理候補が誰かの操り人形だったら? 人の心の闇に迫るミステリー
【TBS 系列 金曜ドラマ 放送! 2024年夏スタート】
47歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。
「彼が誰かの操り人形だったら?」
そう感じた女性記者が、背景を探ると、関係者の不審死、同級生の秘書や家族らの怪しい関係性が浮上し――。代議士を操ろうとする人物は誰なのか?
⇒TBS系列 金曜ドラマ 2024年夏スタート「笑うマトリョーシカ」
主演:水川あさみ / 玉山鉄二 櫻井翔
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bunmei
177
官房長官から総理大臣を目指す若き政治家清家一郎と、彼のカリスマ性に惚れ込んで、ブレーンとして支えてきた秘書の鈴木俊哉との21年に渡る骨太小説。2人が共に生徒会長を目指した高校時代の青春群像劇から、清家が政界に進出してから彼を操る正体の謎、清家の奥底に潜む出生と生い立ちの秘密等、清家の本当の姿を解き明かしていく。それを記者の道上香苗が追い求め、最後までミスリードしていく展開に魅了された。自分が魅力を感じた人を支配したいという欲望は誰しも忍ばせているもの。そんな厄介な感情が、キーワードとなって物語は展開する。2024/08/04
KAZOO
130
政治小説というか、ある意味一人の権力者がどのような感じでそこまでの道のりをたどって来たのかを、その人物にかかわりのある人間を介して説明してくれます。高校時代から始まり、大学時代、あるいは政治家になってからの状況が関わり合いのある人物や記者からスピンアウトした人物などによって説明されます。とくに母親やその祖母がかなりの役割を果たしているのではないかという気がしました。それにしても面白い小説です。2024/07/27
納間田 圭
128
彼は…27歳に事故死した先輩議員の地盤を引き継ぎ衆議院選挙で当選し議員バッジをつけた。それは計画通りだった⁉︎。その後…47歳には官房長官にまで登りつめた。彼の言葉は…人の心を突いた。彼の演説は…民衆を魅了した。でも…どれもこれも誰かが考えたシナリオだったとしたら。彼は…そのシナリオを天才的に演じているだけだとしたら。彼の父親も…政治家だった。母親は…異常な程に彼を英才教育した。彼には…高校生の頃から強力ブレーンが存在した。大学時代の彼女も…彼を〇〇した。祖母が口にした「复仇(フーチョウ)」の一言の意味。2024/07/25
遥かなる想い
104
ドラマ化に伴い読了。 政治家清家一郎を巡る物語である。 清家一郎と秘書鈴木 そして 清家一郎の妖艶な母との 不思議な関係が丹念に描かれる。 本当の清家一郎とは何なのか? 何枚も仮面を被っているだけなのか? ドラマ映像と物語がクロスしながら、清家一郎を 巡る人々の人生を骨太に描いた、政治ミステリーだった。 2025/08/11
のり
100
官房長官まで上り詰めた男。その正体は何なのか?意思を持たないが、求められた事は完璧にこなす。表現力は一級品。人を引き付ける能力も併せ持つ。しかし、その土台を作り、操っていた人物も多い。支配を好む彼等だったが…人は誰でも仮面をかぶる事もあるが、何枚も持ち合わせるのは困難である。この男は稀代の天才である。この先の展望も気になるところだ。2024/09/09