内容説明
「私が本当に地獄に落ちたのは、一月三十一日、パリに戻ってからだった」。イスラム嫌悪の諍いの裏で、ポルノ映像出演という最悪の事態に見舞われた著者が赤裸々に描く自己分析的エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
81
アムステルダムのホテルで撮影された映像の一部が自分の許可なく予告編に使用され、予告編の削除と映画の公開中止を求めて提訴した作家ウエルベックのポルノ映画『キラク27』をめぐる醜聞。このエッセイで、ウエルベックは映画関係者をゴキブリ、メス豚、七面鳥と罵り、その義憤を顕わにしている。初めから映画出演なんてしなければいいんじゃないと思うけれど、この作家の描く小説世界のようで可笑しい。「私の昔からの敵は、“イスラム嫌悪”の問題に加えて、“ポルノ”という新しい問題に活気づけられ、武者震いしていた」とある。→2024/08/16
やいっち
58
「イスラム嫌悪の諍いの裏で、ポルノ映像出演という最悪の事態に見舞われた著者が赤裸々に描く自己分析的エッセイ」…実に馬鹿げていて愚かしくて、その意味で実に面白かった。ウエルベックらしいと云えばそうなのかも。ファンなら楽しめるかも。2024/06/26
tom
22
ウエルベックが書くものは気になる。だから、ほとんど全部読んでいる。そして、この新作。小説かと思いきや、頁を開いて何のことやら・・。最初は、イスラムに対する不穏当な発言についてゴメンナサイの繰り返し。次のネタに笑う。出てくるのは、自分が主演?したポルノビデオの差し止め裁判の顛末。縷々述べるけれど、契約書を読むと、ネットに公開することを認めている。サインしたときボケていた云々と弁解するけど、そんなもの何の言い訳にならない。おバカだと思って笑う。それにしても、性についての執着とロマンの妄想、これがウエルベック。2024/10/01
やいっち
11
ウエルベックの本は断簡零墨も読みたい吾輩、エッセイの本書も早速入手、庭仕事に頑張ったご褒美に楽しんだ。2024/06/25
garth
9
キラクの運動は彼らが主張しているのとは正反対の意味を持っていた。この運動は、理屈の上では男根の賛美から出発して、あらゆる正常な性行為への嫌悪に行き着いていた……マムシとゴキブリが考え出し、そして実践しつづけたことは、二十一世紀初頭を特徴づけていた、アセクシャリティへの巨大な動きから派生的に生じたものに過ぎない。この大きなうねりは、人口消滅というまったく単純な手段で、現代を崩壊へと押し流そうとしていた。2024/05/30
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