幻冬舎新書<br> 喧嘩の日本史

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幻冬舎新書
喧嘩の日本史

  • 著者名:本郷和人【著】
  • 価格 ¥1,024(本体¥931)
  • 幻冬舎(2024/05発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344987319

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内容説明

弟・義経との小さな行き違いを大騒動に発展させて権力を手にし、鎌倉幕府を確立した源頼朝。抜擢されたことで激務に追われ、上司・信長への不満を溜めていった明智光秀。日本史の転換点となった対立・戦いのもとをたどると、日頃、誰もが経験するような「喧嘩」であることが多い。些細な喧嘩が、なぜ大きな戦いにまで発展してしまったのか。権力者は小さな火種をどう利用してきたのか。戦いを避けられる「もし」はなかったのか。平安時代から幕末までの10の「喧嘩」を、実証的に、かつ想像力を駆使して検証する

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

90
歴史的な出来事は、実は「些細な喧嘩」に過ぎなかったのではないか。それがどんな経緯を経て、大きな事件に発展するのかを検討してみようとする趣旨の一冊と理解した。頼朝・義経、尊氏・直義の兄弟喧嘩、謙信・信玄、信長・光秀、徳川・豊臣、吉良・赤穂浪士、井伊直弼・水戸浪士などの対立関係が取り上げられているが、特に、本郷先生お得意の中世の社会背景の解説には、教えらえることが多かった。確かに、守護大名が戦国大名に発展し、武士が社会を支配する時代になる中で、「喧嘩」の意味が大きく変貌したのかもしれない。2024/09/20

skunk_c

62
頼朝と義経(実際は保元・平治の乱から書いてある)から桜田門外の変までの争いを「喧嘩」という言葉で括りながら割合詳しく書いている。タイトルから想像するよりはるかに真面目な内容で、読み口は良いので中高生あたりが日本史のエピソードに触れるにはちょうどいい本かもしれない。あと、室町幕府の東国政策とか、本能寺の変の見立ての中に出てくる信長に対する評価などは面白かった。大石内蔵助をその取り潰しの処理などからかなり高評価しているのも興味深かったが、吉良上野介については余り書かれていない。浅野内匠頭は短気者とバッサリ。2024/07/21

きみたけ

58
面白かった。著者は、東京大学史料編纂所教授で文学博士の本郷和人先生。日本史上の様々な「喧嘩」を取り上げて、その「喧嘩」がいかに大きな戦いへと発展したか、その「喧嘩」の争点は何だったのかを探り、「喧嘩=戦い」の本質とは何かを考察した一冊。源頼朝vs弟・義経、源氏将軍vs北条氏、鎌倉幕府vs地方武士、足利尊氏vs弟・直義、尊氏派vs直義派、上杉謙信vs武田信玄、織田信長vs明智光秀、徳川家康vs豊臣秀頼、吉良上野介vs赤穂浪士、井伊直弼vs水戸・薩摩藩の10章。2024/08/31

なーちゃま

6
「対立の日本史」とかではなく「喧嘩」としているところに雅さを感じる。中世史がご専門の本郷先生の平安・鎌倉・室町の解説は、大学受験で「よく分からないがこういうことらしい…」と詰め込む部分の多い中世を一転魅力的なものにしてくれる。北条氏の政治的暗躍は『北条氏の時代』に譲るとして、頼朝のバランス感覚や十三人の合議制の崩壊、赤穂浪士の事件や織豊政権についても、古文書に裏付けられた信頼感のある解説がされている。過去の本も好きだけど本書は特に「なるほど!」が多かった良書です。2024/11/06

於千代

5
喧嘩=闘争から日本の歴史を見る一冊。鎌倉~室町期の話は大変興味深い。観応の擾乱の遠因を国家観の違いと見る発想はなかった。また、足利義満はよく天皇になろうとした、という話が出る人物であるが、その素地として細川頼之がつけた二条良基による貴族教育があり、貴族たちも貴族としての振るまいができる義満に従いやすかった、という指摘はなるほどと思わされた。2025/06/17

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