中公文庫<br> 安吾探偵事件帖 事件と探偵小説

個数:1
紙書籍版価格
¥1,100
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

中公文庫
安吾探偵事件帖 事件と探偵小説

  • 著者名:坂口安吾【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2024/05発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122075177

ファイル: /

内容説明

安吾探偵登場!
戦後の難事件を推理し、探偵小説を大いに論ず

「文壇随一の探偵小説通」といわれた坂口安吾。ミステリ作品を手がける一方、自ら「安吾タンテイ」と名乗り、帝銀事件や下山事件など実際の事件について大胆な推理を展開した。本書はこうした事件評論・裁判傍聴記と、愛好する探偵小説を論じたエッセイを併録した一冊。文庫オリジナル。〈解説〉川村 湊

■目次
Ⅰ 事件と裁判
帝銀事件を論ず/切捨御免/哀れなトンマ先生/孤独と好色/下山事件推理漫歩(座談 江戸川乱歩・中館久平・坂口安吾)/国宝焼亡結構論/日大ギャング/〝能筆ジム〟/フシギな女/孤立殺人事件
   *
チッポケな斧/裁かれるチャタレイ夫人/被告席の感情/チャタレイ傍聴記/見事な整理

Ⅱ 推理小説論
推理小説について/私の探偵小説/探偵小説とは/探偵小説を截る/「刺青殺人事件」を評す/推理小説論
   *
新人へ/娯楽奉仕の心構え/感想家の生れでるために

〈解説〉川村 湊

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

195
角川文庫に未収録の随筆も収めている。高校で「ラムネ氏のこと」を読み安吾にハマった。私の胸にある安吾の風景は新潟の海と茱萸藪である。《私は一切を風景に換算してゐた》自然の懐に微睡むようなあのリズムは、一方で人間という大きな海から寄せてくる波の音にも思える。帝銀事件の犯人にしろ、下山総裁にしろ、どこまでも一人の人間として見る。そして戦後犯罪の裏に戦争の影を見る。肉慾は悲しい、だがそこに帰らざるを得ない人間はいじらしい、と安吾はくり返す。チャタレイ裁判の矛盾点よく判った。坂本家の殺人についての推理はとても緻密。2024/06/20

ますみ

6
★3.5★2025/04/02

羽田

3
横溝の蝶々殺人事件を絶賛していて読み直したくなった。50年代はじめくらいの随筆が一番多いんだけど、50年代後半はないんだな?なんでだろうと思っていたらなくなっているんだね…早いよ安吾。戦後のあっけらかんとした空気をある意味面白がっているのは安吾らしい。金閣寺はじめ歴史的建造物なんて構造方法だけ分かっていれば全部いらんもっと大事なもんがいくらもあるだろうてのも彼らしいかな。さすが堕落論作者。乱歩との鼎談がいまいちかみ合っていなくて面白い2024/06/25

Gen Kato

2
安吾のエッセイ集。独特の安吾節が楽しくはあるのだけれど、ところどころ文意が通らない部分があって、ヒロポンの悪影響なのかとよけいなことを考えてしまう。というか、当時は編集者も指摘しなかったのか。まさに戦後まもない混乱期の空気ですね。『孤独と好色』(あまりの説得力に自殺説に傾きそう)『孤立殺人事件』(ヒロポンの影響を感じるやつですが)がマイベスト。けっきょく犯人は推理通りだったのか、すごく気になる。『刺青殺人事件を評す』、評しすぎて犯人バラしてますが、安吾だからなあ(たぶんヒロポンは関係ない)。2025/07/16

Mマジパン

2
図書館本。安吾と見て飛びついた。推理小説かと思わせる題名だが評論集である。前半では、帝銀事件、下山事件など敗戦直後に大いに世を騒がせた事件を論じている。事件の真相というよりも、暗い世相と戦争の生々しい記憶の反映ととらえている点がユニークだ。後半は当時の内外の推理小説に対する評論。大部分を一刀両断しており痛快。A・クリスティとE・クイーン、横溝正史のみは褒めている。しかし、ネタバレの記載が多数ある。当時は許されていたのだろうか。2025/01/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21924234
  • ご注意事項

最近チェックした商品