中公文庫<br> ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集

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中公文庫
ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集

  • ISBN:9784122075221

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内容説明

シャーロック・ホームズはここから始まった? 幻のデビュー作「ササッサ谷の怪」から、最後の小説となった「最後の手段」まで。探偵小説のみに留まらない希代のストーリーテラー、ドイルの魅力を再発見する名短篇全十四編を収録。〈解説〉北原尚彦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海猫

75
コナン・ドイルの短編小説をデビュー作「ササッサ谷の怪」から最後の小説「最後の手段」までの14作収録。各短編はページ数短めだが内容が濃く読みでがあった。珍妙な作品が多いのが面白味のある作品集で、印象に残るのが「幽霊選び-ゴアズソープ屋敷の幽霊」。幽霊を欲しがる男にまつわる話で、出てくる登場人物らがやたら胡散臭く展開も怪しげなので妙に可笑しい。海洋小説「エヴァンジェリン号の運命」も好き。その他法螺話や架空戦記SF、犯罪小説ややはりミステリ的なものもありで、ホームズもの以外でのドイルの作風の幅広さを堪能できた。2024/08/06

えーた

39
あまりにも高名な代表作・シャーロック・ホームズ・シリーズゆえに、そのネームバリューの割に知られていない作品が意外と多いコナン・ドイルの珍しい佳品が収められた素敵な一品。ユーモア作品や怪異譚から架空戦記物までとにかく多種多様なジャンルが揃っている(しかもどれも面白い)のに加えて、作者のデヴュー作(「ササッサ谷の怪」)と生前最後の作品(「最後の手段」)が収録されていることからも、非常に興味深く、よく選り抜かれた一冊だと思う。とりわけWW1における英と独の海戦を描いた「死の航海」は大変読み応えがあって良かった。2024/07/01

ニミッツクラス

33
24年(令和6年)の税抜900円の中公文庫初版。同社C★NOVELSの「コナン・ドイル未紹介作品集1~3」(全33話)から編者北原氏が14話を抽出して文庫化。ドイル20歳のデビュー作から没年(71歳)までのノンシリーズ奇譚を初出順に並べた。「死の航海」はif戦記物で、史実では第一次大戦末期に独皇帝はオランダへ逃れたが、本作では皇帝自ら旗艦に座乗し、英米の連合艦隊と片道特攻の艦隊決戦を行う。没後出版の「最後の手段」は禁断の○○落ちだが、少なくとも晩年の霊界方向へのネジのゆるみは無いから読める。★★★★☆☆2025/04/08

Mark

33
コナン・ドイルが「シャーロック・ホームズ」シリーズで名が売れる前のデビュー作から、最晩年までの作品を数点集めた短編集です。翻訳にもリズムがあり、大変読み進めやすく、日本ではあまりなじみのない情景や背景も生き生きとイメージできる作品が多いという印象でした。サスペンス的な物語は、流石と思わせるものばかりですが、ドイルが医者だったことが、ホームズのサイドキックスであるワトソン医師につながっているということを、巻末の解説で知りました。ドイルの短編は、他にも多く紹介されているので、読みたいと思います。2024/10/05

翠埜もぐら

29
ドイルはホームズものだけでなく「海洋奇譚編」とか「クルンバーの謎」とかも読んでいたのですが、デビュー作をはじめほぼ初読の物ばかりで楽しかったです。思わずニヤッとしてしまったのは「幽霊選び-ゴアズソープ屋敷の幽霊」。この頃からすでに英国の古いお屋敷には幽霊は権威的必需品だったのね。「辻馬車屋の話」はちょっとホームズ物のかほりが・・どの話も結構エキセントリックなところがあるのにまとまっていて読み易かったし、「死の航海」のように当時の事実をIF話にしてみるのって「歴史小説家ドイル」の片鱗が見えて面白かったです。2024/06/30

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