内容説明
〔もっとも身近な病の生態〕人は一生涯に平均二〇〇回も風邪をひく。しかしいまだにワクチンも特効薬もないのはなぜ? 本当に効く予防法とは、対処策とは? 自ら罹患実験に挑んだサイエンスライターが、最新の知見を用いて風邪の正体に迫り、民間療法や市販薬の効果のほどを明らかに。風邪の常識を覆す一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zoe
20
ライノウイルスをゴルフボールに例えると、我々の体は、北米大陸の東海岸から西海岸。緑の鼻水は、好中球の鉄含有酵素の色。ゼンメルワイスの手洗い奨励。手洗いを進んでするとき、不潔さを訴えられると行動する。女性の手の方が、男性の手より細菌が多く住み着いている(なぜ?)。ウイルスや細菌は、自分が繁栄するためには、宿主の人間を殺してはいけない。付録に、風邪をひいたときに読む本がセレクトされております。そうして、風邪をひくたび、我々は少し賢くなるらしいです。2018/04/24
わたなべよしお
16
風邪についてはなんとなく知っているつもりでいたが、この本で知らされた事実には、ちょっと驚いた。結局、風邪を完全に予防、もしくは完璧に治療することはできない。また、風邪ウイルスを根絶してしまうことがよいことなのか、についても分からない。それでも、この本は読む価値がある。2014/12/28
赤い熊熊
14
ご無沙汰しております。ゲームにはまり読書ご滞ってました。さてさて、「かぜの科学」です。コロナ禍だから読む人は多いかなと思ってたら、そんなにでもないようでした。ほとんどがライノウィルスについて書かれてますが、おおよそではコロナウィルスも大きく違いはないかなと思いす。敢えて風邪と言いますが、風邪を正しく警戒して適切に対処することが必要かと思います。そのためにも風邪や感染症、免疫機構について一定の科学リテラシーを持つことが大事。そういう意味で、難しいすぎず、よく書かれた本だと思います。2020/05/25
りょう
14
誰もがかかる風邪。風邪の治療法には誰しも一家言持っていると思うけど(アレやコレを食べればいいとかこの薬がよく効くとか)、そもそも風邪ってなんなの?私は全く知らなかったのだけれども、風邪の原因はウイルスで、風邪の症状に"関与"しているのは、なんと少なくとも200種類以上。"関与"としたのは、風邪の症状を引き起こしているのはウイルスではなく、ウイルスが身体に侵入したことによる免疫の反応なのである。2015/02/28
kenitirokikuti
11
再読、のはず。風邪の原因ウイルスには、新型じゃない従来のコロナウイルスもある。マスクの効用を本書でも確認。やっぱ飛沫を浴びたり吸い込んじゃうというのは勘違いのようで、鼻水の方が地味に確実に接触で伝わっていくという実験結果。くしゃみで飛ぶ唾液は喉の奥と接しないのでウイルスは混じりにくい。いかにも「濃厚接触」という語感のキスだって、ディープなやつでも全然浅いそうな。もっともダメなのは鼻ほじり。細かいとこまでよく手洗いし、ちゃんと乾かすこと。2020/04/04